親子3人が起訴されたすすきののホテル殺人事件の母親の裁判で、検察は母親に対し、懲役1年6か月を求刑しました。 一方、弁護側は改めて無罪を主張し、裁判は結審しました。 (検察)「被告人を懲役1年6か月に処するのが相当である」 検察が残虐な犯行状況を読み上げると、浩子被告は時折目を瞑り、涙をぬぐっていました。 2023年7月、札幌・すすきののホテルから頭部のない男性の遺体が見つかった事件では、田村瑠奈被告と父親の修被告、母親の浩子被告の親子3人が逮捕・起訴されました。 このうち、浩子被告は男性の頭部を自宅に隠すことを容認し、瑠奈被告から頼まれた、頭部損壊の様子をビデオで撮影することを修被告に依頼して、犯行を手助けした罪に問われています。 (浩子被告)「容認は違います。手助けするつもりは全くなかった」 初公判で無罪を主張した浩子被告。 裁判では、浩子被告の行為が手助けにあたるかが焦点となっています。 9回目を迎えた17日の裁判。 検察は論告で「瑠奈被告から頭部を見せられた際に「すごいね」と伝えるなど犯行を積極的に容認した」と指摘。 その上で… (検察)「瑠奈被告の意思を止めることなく尊重した。損壊や死体遺棄を継続する瑠奈被告の日常生活を心理的にも物理的にも支えた」 浩子被告に懲役1年6か月を求刑しました。 一方で、弁護側は「頭部が自宅に持ち込まれた時点で死体遺棄は終了していて、隠匿を容認したと評価することはできない」と主張。 ビデオ撮影の依頼についても「何を撮影してほしいか認識していなかった」などとして、改めて無罪を訴えました。 最後に裁判長から「何かありますか」と問われた浩子被告は… (浩子被告)「事件発覚から逮捕までの間に私が通報できず、被害者をさらに深く傷つけてしまい、遺族の方に深くお詫び申し上げます」 声を詰まらせ、涙ながらにこう述べて裁判は結審しました。 ほう助罪について真っ向から主張が対立した浩子被告の裁判。 判決は5月7日に言い渡されます。