「奇妙な死」を遂げた元大手メーカー技術者は「女占い師」に家も会社も奪われた

入水自殺として処理されていた2人の男性の死は、「創造主」と称する女の犯行だった疑いが強まっている。 3月11日、大阪府警は、自殺教唆の容疑で大阪府河内長野市の自称「占い師」の浜田淑恵容疑者(62)と東京都中野区の滝谷奈織容疑者(59)を逮捕した。 2020年8月、和歌山県広川町の海岸で、2人の男性の遺体が奇妙な状態で浜辺に打ち上げられているのが見つかった。 男性は寺本浩平さん(当時66)と米田一郎さん(当時51)で、2人の手首はマイクコードで縛られてつながっていた。司法解剖の結果、2人は溺死で、体内から鎮痛剤が検出されたが、遺書があったことなどから和歌山県警は「事件性なし」と判断した。 ■別の恐喝事件で浮上した自殺教唆容疑 ところが昨年5月、大阪市の男性が浜田容疑者に占いを受けた後に「カネを脅し取られた」と大阪府警に被害を訴えた。捜査関係者によると、この被害申告を受けて浜田容疑者の恐喝容疑を捜査する過程で、浜田容疑者がこの男性に、寺本さんと米田さんのことに触れ、 「2人はもうこの世にいない」 「(海に)ぷかぷか浮かんでいた」 「私から逃げたらどうなるかわかっているのか。逃げられると思うな。全財産を捧げろ」 などと脅していたことがわかったという。 大阪府警は今年1月、浜田容疑者や滝谷容疑者を、大阪市の男性から8千万円を脅し取った恐喝容疑で逮捕(3月に恐喝罪で起訴)するとともに、寺本さん、米田さんの死因についても再捜査を進め、浜田容疑者らの自殺教唆の容疑が固まったという。 捜査関係者によると、浜田容疑者は取り調べに対して、自分と寺本さん、米田さん、滝谷容疑者の4人で海に行ったと言い、 「4人で死のうと海に入った。寺本さんと米田さんの交際相手に悪霊がとりついており、取り除いて救うために死ぬしかないと、了解を得て海に入った」 などと供述しているという。だが浜田容疑者の“信奉者”だという滝谷容疑者は、 「浜田容疑者から命令され、マイクコードでお互いの手首を結んで、4人が横に並んで海中に入った。しばらくして、浜田容疑者から砂浜にあがれといわれた。その時点で、寺本さんと米田さんはぐったりして亡くなっていたようで、私が2人を岸に引き上げた。浜田容疑者の命令なので、従うしかなかった」 という趣旨の供述をしている模様だ。

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