検察の捜査で近年、問題が相次いでいる。大手不動産会社「プレサンスコーポレーション」創業者の山岸忍さん(62)は2019年12月、21億円の業務上横領を共謀したとして大阪地検特捜部に逮捕され、3畳の独房で248日間にわたる「地獄」の生活を送った。 全国分譲マンション供給数ランキングで上位を争う企業トップに突然降りかかった、身に覚えのない罪。その後の裁判で明らかにされたのは、取調室で山岸さんの部下を罵倒する検事の姿だった。裁判長は「部下の供述は信用できない」と異例の捜査批判をした上で無罪判決を言い渡し、確定した。 にもかかわらず、検察からは今も謝罪はない。山岸さんは2022年、国家賠償請求訴訟を起こした。今月21日、この訴訟で国の責任の有無を判断する「中間判決」が言い渡される。判決を前に、「人質司法」とも言われる刑事司法制度や、今も闘いを続ける検察への思いを語った。(共同通信=斎藤修真、検事や部下らの肩書は当時) ▽「魅力的な土地」取引に18億円を貸し付けた