滋賀県近江八幡市などの琵琶湖で2008年、職業不詳川本秀行さん=当時(39)、野洲市=の切断遺体が見つかった事件で、大津地検は19日、殺人の罪で、別の殺人事件で服役中の杠共芳(ゆずりは・ともよし)容疑者(74)を起訴した。地検は認否を明らかにしていない。 証拠収集などが難航し、17年間未解決だった事件。今後審理が予定される裁判員裁判では、検察側が被告の関与をどのように立証するかが注目される。 大津地検の中山博晴次席検事は「長年にわたる捜査の結果、起訴に至った」と述べ、具体的な供述内容などは明らかにしなかった。 起訴状によると、08年5月中旬ごろ、滋賀県内またはその周辺で、川本さんの首を何らかの方法で圧迫して窒息死させたとしている。死体遺棄・損壊の罪は公訴時効(3年)が成立している。 滋賀県警捜査本部(近江八幡署)によると、杠被告と川本さんは建設会社の元同僚だった。県警はこれまで被告に対し任意聴取を重ねるなどし、先月27日、殺人の疑いで逮捕した。 事件は08年5〜6月、近江八幡市や東近江市、草津市の湖岸など6カ所で、切断された手足や頭などが相次いで見つかって発覚。10年後の18年11月、DNA鑑定などで、遺体の身元は川本さんと特定された。 杠被告は18年、別の知人男性を殺害し、遺体を切断した上で、草津市の排水路に捨てるなどしたとして逮捕、起訴された。19年に大津地裁で懲役25年の判決を受け、21年に最高裁で確定している。