検察がキム・ソンフン警護処次長とイ・グァンウ警護本部長の拘束令状を裁判所に請求した。これで、今年1月に尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領の逮捕状の執行を妨害した疑いで逮捕され、後に釈放されたキム次長らは、2カ月をへて初めて裁判所の拘束前被疑者尋問を受けることになった。 ソウル西部地検は18日、キム・ソンフン次長とイ・グァンウ本部長の拘束令状を請求したことを明らかにした。検察による拘束令状棄却を不服として、ソウル高等検察庁令状審議委員会から(令状の)発付勧告決定を引き出した警察庁非常戒厳特別捜査団(特捜団)は前日、キム次長については4度目、イ本部長については3度目の拘束令状申請をおこなっていた。 警察は当初、尹大統領の指示を受けて今年1月3日に高位公職者犯罪捜査処と警察による逮捕状執行を阻止した疑い(特殊公務執行妨害)で、キム次長の拘束令状を申請した。しかしソウル西部地検は「尹大統領が拘束されたため、再犯の懸念はない」としてこれを棄却した。続いて警察は、警護処の実務者に盗聴防止機能付き電話(秘話フォン)の情報の削除を指示した疑い(大統領警護法の職権乱用)を追加してキム次長の拘束令状を再申請したが、検察は補強捜査を要求しつつ差し戻した。さらに、キム次長らの事務所や自宅の家宅捜索を経て3回目の令状申請が行われたが、検察はまたも「犯罪に故意があったのか争いがある」との理由で棄却した。令状請求権を持つ検察が、拘束に対する裁判所の判断そのものを阻んだ格好だ。 これに対し、ソウル高等検察庁令状審議委員会(審議委)は今月6日、キム次長らの拘束令状を請求すべきとする判断を下した。西部地検は、容疑の疎明が成り立つか、拘束理由があるかなどを総合的に検討し、この日、拘束令状を請求した。 ソウル西部地裁は近く、キム次長に対する拘束前被疑者尋問(令状実質審査)を行い、拘束するかどうかを決定する。キム次長は、釈放された尹大統領に密着随行しなければならないとして「不拘束捜査」を主張するものとみられる。裁判所が拘束令状を発行すれば、「盗聴防止機能付き電話のサーバ」の確保などによって内乱事件の捜査にも突破口が開けるとの見通しが示されている。検察による令状棄却でこれまで職位を維持してきたキム次長は、刑事訴訟法の条項(軍事上の秘密を要する場所は、その責任者の承諾なしには押収または捜索できない)を根拠として、警察特捜団によるサーバ押収も拒否してきた。尹大統領は非常戒厳宣布時に軍の司令官たちと盗聴防止機能付き電話でやりとりしていたため、警察がサーバを確保すれば、通話の内訳から当時の状況を再構成できるとみられる。 キム・ガユン記者 (お問い合わせ [email protected] )