八尾コンクリ詰め遺体、市は当時の対応適切と強調も 専門家は「地域で子供見守る意識を」

コンクリート詰めにされた遺体が大阪府八尾市の集合住宅から見つかった事件で、大阪府警は19日、DNA型鑑定の結果などから遺体の身元について、死体遺棄容疑で逮捕された大阪市平野区の無職、飯森憲幸容疑者(41)のめいにあたる岩本玲奈さん(死亡推定当時6~7歳)と判明したと発表した。 玲奈さんは平成12年に八尾市内で生まれたが、保育園などに通っていなかった。市は居住実態が確認できないとして当時玲奈さんと姉と同居していた(飯森容疑者の)父親の申し出により4年後に住民票から削除していた。八尾市は19日、記者会見し、当時の対応について担当者らが「記録を見る限り適切だと認識している」と説明した。 著書「ルポ 居所不明児童-消えた子どもたち」(ちくま新書)がある、「消えた子供」の問題に詳しいジャーナリストの石川結貴(ゆうき)さんも「当時の行政側の対応に問題はない」と指摘する。その上で、家族の申し出による住民票の削除について、「家族のいうことをうのみにせずに、玲奈さんらの所在を調査することも必要だったのではないか」と話す。 石川さんは「子供を守るのは家族や公的機関だけでなく、地域のまなざしも大事だ」と強調。虐待が疑われる子供を周囲で見かけた場合、匿名で情報提供ができる児童相談所虐待対応ダイヤル「189番」への通報を促している。(土屋宏剛)

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