校長自殺報告書訴訟、名誉棄損を否定…最高裁
2010年4月27日20時52分配信 読売新聞
民間から登用された広島県尾道市立高須小校長の男性が2003年3月に自殺した問題を巡り、県、市両教委の調査報告書に「自殺の原因は教職員との対立にある」と書かれて名誉を傷つけられたとして、県教職員組合などが県と市に損害賠償を求めた訴訟の上告審判決が27日、最高裁第3小法廷であった。
那須弘平裁判長は「報告書は社会的評価を下げる内容ではない」として、県と市に154万円の損害賠償を命じた2審・広島高裁判決を破棄し、県教組側の請求を棄却した。県教組側の敗訴が確定した。
判決によると、男性は02年4月に校長として採用されたが、03年3月に自殺。両教委は同5月に調査報告書を公表した。
一方、校長自殺後の人事異動を巡り、当時の同校教諭が違法な転任だとして損害賠償を求めた訴訟の上告審判決もあり、県と市に計66万円の支払いを命じた2審・広島高裁判決が確定した。