休館の図書館で研修、夏休み中は時短…北教組のトンデモ勤務実態

休館の図書館で研修、夏休み中は時短…北教組のトンデモ勤務実態
産経新聞 2011年11月7日(月)23時9分配信

 研修場所とした図書館が休館日、夏休み中は時短勤務…。会計検査院が明らかにした北海道の公立小中学校教員の勤務実態は、子供を指導する資格すら疑われる内容の数々だった。

 ▼有給休暇

 「私が所有する文献を読み返すのが適当と考え、自宅で報告書を作成した」。平成21年8月17日に道内のある教員が校長に提出した「校外研修」の報告書は、同月12日から14日まで、自身が前月に参加した学会の報告書を自宅で作成したと記載されていた。

 教員は校長の承認を得れば校外研修が認められる。夏休みなど長期休業中も正規の休暇以外は学校に出勤する必要があるが、多くの教員は「自宅研修」とも呼ばれる校外研修を申請。「実質的な有給休暇」との批判が長年なされてきた。

 検査院は、その確認にまで踏み込んだ。図書館などの休館日を調べたところ、研修したとされる日が休館日だった事例が続出した。

 事情聴取に、5校の6人は計60時間について「休館日だったので研修はせず、自宅で過ごすなどした」と回答。43校の75人は計946時間について「別の場所で研修したが、証明できない」などと回答。検査院は、この時間に支払われた給与約194万円について返還が必要と指摘した。

 ▼“言い分”

 夏休みなどの校舎の警備システムの記録調査では、始業時間後や終業時間前にシステムの作動・解除が行われていた事例があった。出勤は30分遅く、退勤は45分早くといった形だ。

 52校の442人は、計2045時間について勤務事実がないことを認め、検査院は約431万円を返還対象と指摘した。

 問題は認めなかった教員たちの言い分だ。85校の718人は計3727時間について「記憶がない」、71校の950人は計4822時間について「システムを作動後、校内巡視などを行い終業時間後に退勤した」などと回答。検査関係者は「これで道民の理解が得られるのか」とあきれる。

 ▼反省なし

 「勤務時間中の組合活動は違法ではない! むしろ当然認められるべきだ」

 今回の検査は、北教組による違法献金事件にからみ、教職員が勤務時間中に組合活動を行っていたことが発覚したのを契機に実施された。だが、昨年開かれた北教組日高支部新ひだか支会の集会で配布された資料には、反省どころか、「調査する側こそ違法」といった反論が並んだ。

 今回の検査対象は209校で全体の1割。北海道教委が検査院と同様の手法で今月から行う全道調査では、さらなる不適切勤務が露見する可能性がある。

 百地章日大教授は「改正教育基本法は、教員は『絶えず研究と修養に励み、その職責の遂行に努めなければならない』と明記しており、このことを徹底させ意識改革を図ることが急務」と指摘。元北教組組合員で狭山ケ丘高校校長の小川義男氏は「組合側に妥協する校長や教委側にも問題がある」と話している。

 北教組は「検査結果などの報告が届いていないため、現段階では何もコメントできない」としている。

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