(朝鮮日報日本語版) 入試推薦書の作成を生徒に任せる高3担任

(朝鮮日報日本語版) 入試推薦書の作成を生徒に任せる高3担任
朝鮮日報日本語版 2012年8月18日(土)11時59分配信

 一部の高校3年生の担任が、生徒の大学入試に必要な教師推薦書の作成を避ける事例が相次いでいる。そのため、生徒たちは自ら推薦書を作成した上で担任教諭の名前で提出したり、1、2年生の時の担任や、教科専門教諭などに依頼することもあるという。

 2013年度の大学随時入試(一般入試以外の推薦、AO入試など)願書受付を目前にした14日、ソウル市江北区の高校に通う3年生のA君は、担任教諭に「入学査定官試験(学力試験ではなく入学査定官が内申や面接の成績で合否を決める入試)の願書作成に当たり、教師の推薦書が必要」として推薦書の作成を依頼した。担任は困った表情で、首を横に振った。担任は「私は君を1学期しか担任していないから、君についてはよく分からない。1、2年生の時の担任に頼みなさい」と話した。

 A君は1年生の時の担任教諭に電話をして依頼したが、再び断られた。1年生の時の担任は「夏休みのため学校に行くのは困難」と話した。落胆したA君が3番目に頼んだ教師は、1年生のときに授業を受けたことのあるキム先生だった。当時、キム先生が自分の長所を褒めてくれたことを思い出したからだ。幸いにもキム先生は「書いてあげよう」と言ってくれ「他の生徒たちには(自分が書くことを)言わないでくれ」と念を押した。

 随時入試の願書受付を目前にした生徒たちが、教師の推薦書をもらうために戦々恐々としている。随時入試のうち、入学査定官入試を受験するためには、自己紹介書と共に教師の推薦書が必要だ。教師の推薦書作成は、基本的に入試業務を担当している高3の担任の役目となっている。高3の担任のなかには、推薦書を丁寧に書いてくれる人もいる。しかし、他の教師たちに頼んだり、生徒に自分で推薦書を書かせるケースも多いと、保護者や教師たちは話す。

 ソウル・江北地域にある高校に勤務する教師は、昨年担任していたC君の母親から、先週電話を受けた。C君の母親は「今の担任が推薦書を書いてくれないので、代わりに書いてもらえないか」と頼んできた。教師は「分かった」と承諾し、夏休み中の14日、学校に出向いてC君の母親を待った。ところがC君の母親だけでなく、他の保護者4人が一緒にこの教師のところに押し掛けた。担任から推薦書をもらえない生徒の保護者らが一緒に訪れたのだ。この教師は「私も教師だが、推薦書を作成する教師がこんなにも少ないという事実に驚いた」と話した。

 高3の担任教師たちは、業務量が多すぎて推薦書をきちんと作成するのが困難だと訴える。7年間進学指導を行ってきたソウル地域の高校教諭、アン先生は「昨年は1クラス7人が入学査定官入試を受験した。1人当たり3校ずつ受験すると、21枚の推薦書を書かなければならない。到底書く余力がなかった」と打ち明けた。

 雑に書いて入試で不合格になれば文句を言われるのではと、負担に感じる教師たちもいる。

 釜山市内の高校で3年生の担任を務める教師は「入学査定官入試は『自分が好きな分野でどれだけ多くの活動をしてきたか』をアピールしなければならないが、大部分の生徒たちは勉強以外に特に活動をしていないケースが多い。『特別な活動をしていない』と書くこともできず、困って断るケースも多い」と話した。

 ソウル・江北のある高校教諭は「担任たちがほんの少し情熱を持てば、学生生活記録簿(内申に相当)や自己紹介書を参考に、推薦書を書くことができる。教師の義務である推薦書作成を生徒自身に任せたり、他の教師に頼むようなことがあってはならない」と話した。

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