2025年4月16日、東京メトロ銀座線の虎ノ門駅に停車中の車内で、乗客の化粧ポーチなどを盗んだとして28歳の男が逮捕された。容疑者は自身のリュックで手元を隠しながら、女性客のトートバッグに手を入れていたとされる。 「女性はバッグが開いていることが多い」 と語るその動機は、犯罪としてはありふれたものである。しかし、見逃してはならないのは、この一件が点ではなく線であり、そして面となりつつあるという現実だ。 都内の電車内でのスリ被害は、14日時点で80件に達しており、前年同時期の 「約2倍」 にまで増加している(『テレ朝news』2025年4月16日付け)。これは偶発的な犯罪の増加ではなく、都市の移動インフラにひそむ構造的な変化を物語っている。