「かわいい子だけ指名しよう」…教員のセクハラ訴え、静岡で81人
毎日新聞 2021/5/10(月) 8:54配信
静岡県内の教諭による2020年度の不祥事は25件となり、過去最多となった。うち11件は児童・生徒らへのわいせつ・セクハラ事案。危機感を強めた県教育委員会が公立校の児童・生徒約10万人にアンケート調査を実施したところ、81人からセクハラの訴えがあった。不祥事の中で、刑事事件に発展したケースもあり、県教委はアンケート調査を継続し、未然防止に取り組む方針。【金子昇太】
わいせつ・セクハラ事案が近年、増加の傾向にあり、県教委は実態を把握するため、20年12月〜21年3月、政令指定都市を除く33市町の公立小中学校など(484校)を対象にアンケート調査を実施。小学5年から中学3年までの児童・生徒に配布し、約97%にあたる9万6692人から回答を得た。
調査結果によると、強制わいせつや盗撮などの懲戒処分の対象となる被害は確認されなかった。だが、「自分、または友人がセクハラを受けた」と回答した児童・生徒が81人おり、64件のセクハラ事案の訴えがあった。
64件の内訳をみると、「授業中に頭や顔を触られた」や「階段で背中を触られた」などの「不必要な身体的接触」が35件と最も多かった。「換気のために男性教諭が女子トイレに入った」などの「不必要な接近」が14件。「体重などの個人情報を他の生徒にばらされた」や「給食時に女子生徒に『体が大きいから食べると思った』と発言した」などの「身体的特徴など羞恥心を害する内容の発言」が7件――と続いた。ほかに「『かわいい子だけ指名しよう』などの発言をした」「『男のくせに』と叱責した」などもあった。
調査結果を受け、各学校や市町教委は聞き取りを実施。不適切な言動が確認された教諭に注意、指導を行った。県の担当者によると、「体を触った」と指摘された男性教諭の1人は聞き取りに「コミュニケーションの一環。親しみを込めてやっていた」と弁明したという。担当者は「相手がセクハラと捉えている事例でも、教諭にその意識がない場合もある」と指摘。身体的接触が最多だったことについては、「一歩間違えれば、わいせつにつながりかねない。ハラスメントに関する意識を高めないといけない」と危機感を強めた。
20年度に懲戒処分になった11件のわいせつ・セクハラ事案のうち7件は児童・生徒が被害に遭った事案。刑事事件に発展したケースもあった。
は17年8月と20年9月、それぞれ別の10代少女を言葉巧みに誘い、誘拐。両手両足をロープで縛るなどし、わいせつ行為をした。元教頭は21年2月に懲戒免職。逮捕、起訴され、地裁沼津支部で懲役12年の実刑判決を言い渡されている。
また、は20年4月、SNSで知り合った10代の女性を自宅に連れ込んで、未成年と知りながらわいせつな行為をし、刑事事件化。元教諭は20年6月に懲戒免職となった。