高専生自殺未遂で同級生の父に「2億円賠償命令」の理由 学校ぐるみで”凄絶いやがらせ”が
デイリー新潮 2022年07月15日
青森地裁が先月10日、ある高専生の自殺未遂に関する民事裁判で、学校側と同級生の保護者に対して約2億円の支払いを命じた。異例ともいえる金額となった損害賠償判決の背景には一体、なにがあったのか。
訴状によれば、発端は17年5月13日、榊原さんが元カレの石原君に「あしたうちくる?」とLINEでメッセージを送ったことだという。“事件”はその翌日起きた。
以下、訴状を引く(当事者の名は仮名に変更)。
〈原告が被告榊原に挨拶をすると、同人は「ベッドに入っていいよ」といってきたため、原告は被告榊原の寝ているベッドに入った。その後、原告は榊原の同意のもと、同人の首にキスをしたり、体を(中略)触り合うなどしたが、性交渉までは至らなかった〉
榊原さんは、石原君との間で起きたこの“出来事”を、LINEで彼氏に報告。しかし、彼氏の父親・山田氏にそのやりとりを見られてしまい、
「山田氏は、石原君が息子の彼女である榊原さんに性的な行為を強要したと早とちりしてしまった。そして、石原君を脅迫するようになったのです」(前出・記者)
「その後、山田氏は高専側に素性を明かした上で、学生主事の沢村誠二氏(仮名)に対して、石原君を榊原さんに近づけぬよう申し入れを行います。その学生主事がまた問題で、騒動を収めることを優先。石原君の言い分も聞かず、彼に対して、榊原さんに近づいたらストーカーとして指導することになる、そうなれば保護者にも連絡することになる、と強い口調で“指導”してしまったのです」
同級生父と八戸高専に賠償命令 1億8千万円、自殺未遂で
共同通信 2022/6/10(金) 20:46配信
男女交際を巡って脅迫を受け、自殺を図り下半身不随になったとして、八戸高専(青森県八戸市)の20代の元男子学生と両親が、脅迫した同級生の父親と、同校を運営する国立高等専門学校機構(東京)などに約2億円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、青森地裁は10日、父親と機構に計約1億8500万円の支払いを命じた。
鈴木義和裁判長は判決理由で、同級生の父親の脅迫が自殺未遂につながったと認定。自分の息子の交際相手の女性が、以前に付き合っていた元学生から性的暴行を受けたと思い込み、メールやSNSなどで脅し「強い恐怖感や今後の人生に対する絶望感を抱かせた」と指摘した。
2017年、八戸工業高等専門学校の当時の男子学生が男性から脅迫を受け、その後自殺未遂をした問題で、元学生の両親が「学校側の対応に問題があった」として、同校を運営する独立行政法人・国立高等専門学校機構(本部東京)を相手に損害賠償を求め青森地裁に提訴する方針を固めたことが17日、分かった。元学生は同年6月に「教師に裏切られた」とする内容の遺書を残して飛び降り自殺を図り、下半身に重い障害を負った。
5月中にも提訴する。母親は東奥日報紙取材に「息子は男から脅迫被害を受け学校に相談していたが、教師から逆に加害者扱いされて追い詰められた。寮生活を送っていた息子を男から守るよう、学校側が私たち保護者に連絡をしたり、自宅待機をさせていれば息子の飛び降りは防げた」と語った。
関係者の話を総合すると、脅迫加害者の男性は、元学生が以前交際していた少女の友人の父親。男性は脅迫の罪で3月に青森地裁八戸支部から有罪判決を受け、その後刑が確定している。
判決などによると、男性は元学生が性犯罪をしたと誤って思い込み、17年5〜6月に八戸市内の当時の自宅パソコンから「告発する」との内容のメールを元学生に送るなどし脅迫した。思い込みで学校側に調査を要求し、元学生に一方的な誹謗(ひぼう)中傷を繰り返していたとされる。同年6月下旬、元学生は男性と面会した後に八戸市内で橋から飛び降りた。
母親によると、元学生は3日間意識不明の状態だったが一命を取り留め、長期の入院生活を経て、現在は自宅で療養している。18年4月に数日間登校したが、同年9月に自主退学した。母親は「脅迫事件が発覚したのは息子を犯罪者扱いする学校への電話だった。学校側は当初から息子の被害を知る立場にあった」と同校の対応に不満を示した。
元学生の自殺未遂を巡っては、八戸高専側が外部の有識者による調査委員会を3月までに設置する方針を示していたが、先送りされている。同校の担当者は東奥日報紙取材に、今月中に調査委を設置する方針を示した上で「訴訟については事実関係が分からないためコメントできない」と述べた。