「先生は信用できない。もう無理、助けてくれない」中1男子が不登校から自殺、黒塗りの開示文書、学校・教育委員会「調査に影響が出る、答えは差し控える」【報道特集】
TBS NEWS DIG Powered by JNN 2023/2/5(日) 9:01配信
不登校の中学生は20人に1人。年々増え続け、過去最多を記録しています。先生に助けを求めても向き合ってもらえず、「学校や先生が信用できない」と嘆き、自ら命を絶った中学1年生。SOSの声は、なぜ届かなかったのでしょうか。
■「誰も知らない遠くへ行く」不登校だった中1男子生徒が自殺
2022年3月、
少年が亡くなって1か月後、私たちは自宅を訪ねた。母親の松波千栄子さん(48)。長男と次男の3人暮らしだった。
次男で中学1年生・13歳だった翔さん。亡くなった日の朝、「誰も知らない遠くへ行く」と兄に告げて家を出たという。
千栄子さん
「こんなんも勉強していました。教材でペンも挟まったままで、本に書き込んでいる」
翔さんは小学生の頃から正義感が強く、クラスの輪に入れない子がいると、声をかける優しい少年だった。通知表には・・・
「そうじの時間では、自分の係の仕事ではなくても積極的に手伝い、クラスのみんなを助けてあげることができました」
しかし、小学3年生の頃、2つ上の兄がいじめを受けるようになり、翔さんも上級生にからかわれるように。
先生に相談しても、真剣に受け止めてもらえず、時には「お前の言うことは信用できない」と言われたという。
次第に学校に居場所を失い、不登校に。小学6年生の1年間は一度も学校に行けなかった。
■「大人は全く変わらない。もう無理、助けてくれない」先生や学校への不信感
千栄子さんは、翔さんが小学4年生のときに離婚。家に閉じこもる翔さんを一人にするのが心配で、できる限り一緒にいるようにしてきた。
千栄子さん
「私の職場があの子のフリースクールみたいになって、一緒に出勤して帰ってくる日々だった」
千栄子さんは、引きこもりの若者を支援するNPOで働いていて、そこが翔さんの居場所となった。
千栄子さん
「畑があったからイチゴを植えて『翔のイチゴ』って言って、一生懸命育てるために、寒い日も休みの日も、水をやりに来て」