<問題行動調査>小中高校生の自殺 28%増の200人に
毎日新聞 2012年9月11日(火)21時8分配信
昨年度、小中高校生の自殺が前年度比44人(28%)増の200人だったことが11日、文部科学省が発表した11年度の「問題行動調査」で分かった。200人以上となったのは1986年(268人)以来で、6割近くが「原因不明」とされている。一方、いじめは前年度から7399件(9.5%)減の7万231件を認知。このうち、2935件(4.2%)が解消できていない。同省は「早期発見と対応の徹底が必要」としている。
全国の国公私立小中高校、特別支援学校を対象に、各都道府県教委からの報告を集計した。自殺は小学6年生4人のほか、中学生39人、高校生157人の計200人。背景にいじめがあったとされたのは4人だけで、全体の58%に当たる115人が「原因不明」とされた。警察庁は、11年1〜12月に小中高生の353人が自殺したと発表。前年は287人で66人増えているが、文科省の統計と乖離(かいり)がある。文科省は学校から教委への報告をまとめており、学校が遺族の意向などから報告していないケースも多いとみられる。
一方、いじめは、全学校数の38%にあたる1万4894校で認知。学年別では、中学1年の1万5260件が最多で、中2の1万652件、小学5年の6813件と続く。
いじめの内容(複数回答)は▽悪口や脅し文句を言われる(4万6257件)▽遊ぶふりでたたかれたり蹴られる(1万5646件)▽集団による無視(1万3855件)など。
認知後の対応は、9割のケースで教員がいじめた児童生徒に状況を聞き、5割で保護者に報告。4割で謝罪を指導した。5万6305件でいじめが解消したが双方の転・退学も671件あった。
認知件数は06年度以降、減少傾向にあり、調査を担当した児童生徒課は「認知が十分にできていない学校や自治体がある。努力の余地がある」としている。同省は大津市立中学2年の男子生徒の自殺を受け、今年4月からの件数を調査中。10月にも公表する予定で、認知件数は増大する可能性がある。【石丸整】