国会議員依頼で補欠合格=入試問題も漏えいか―東京医大
時事通信 2018/12/30(日) 18:37配信
東京医科大の不正入試問題で、国会議員の依頼を受け医学部看護学科の受験者を補欠合格させていたことが、第三者委員会の最終報告書で分かった。
医学科の推薦入試で問題が事前に漏えいしていた疑いも指摘された。
報告書によると、2013年度の看護学科一般入試で、臼井正彦前理事長が特定の受験生を「どうにかしてもらいたい」と職員に指示し、この受験生は、成績上位者を飛び越えて補欠合格した。この職員は、前理事長から特定の受験生に便宜を求める指示をほぼ毎年のように受け、全員が合格したと説明したという。
また、第三者委が調査対象とした13〜18年度の間、医学科の推薦入試を受けた受験生が試験日の直前ごろ、「試験問題が手に入った」などと通っていた予備校で吹聴していたという。この受験生の小論文の点数は1位だった。
問題の推薦入試と同年度の一般入試で、学務課職員が小論文課題や採点基準、解答例を入試委員1人にメールなどで伝えていたことも判明した。同大関係者は第三者委の聴取に問題漏えいを否定。第三者委は、漏えいについて「合理的な疑いの余地を残す」と指摘したが、実際の有無に踏み込んだ判断はしなかった。
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東京医大入試 127人不正で不合格に 小論文で問題漏洩も
産経新聞 2018/12/30(日) 0:20配信
東京医科大が29日に公表した不正入試をめぐる第三者委員会の最終報告では、同大の推薦入試で、小論文の問題が特定の受験生に漏洩(ろうえい)していた疑いがあることも明らかになった。平成25〜28年度の入試で合格ラインに達していた計127人が不合格となっていたことも判明。すでに判明している今年と昨年の分も含め、不正により不合格となった受験生は計228人に上ることとなった。
最終報告によると、第三者委が東京医科大の平成25〜30年度入試を調査していたところ、推薦入試を受けた受験生が試験前、通っていた予備校の講師や友人に「試験問題が手に入った」などと話していたことが分かり、その受験生の成績を確認したところ、小論文で1位の成績だったという。
東京医科大の担当者らは第三者委のヒアリングに対し、漏洩の事実を否定したが、第三者委では「問題漏洩が行われたのではないかとの合理的な疑いの余地を残す」と指摘。ただし、確認するには長時間を要するため、最終報告で疑いの事実を示すだけにとどめたとしている。
このほか報告書では、25〜28年度入試で、女子や浪人生を不利にする得点調整などが行われ、一般入試とセンター利用入試で109人、推薦入試で18人が当時の合格ラインを上回りながら不合格になったことも明らかにした。今年と昨年の入試でも計101人が不正で不合格となっており、東京医科大ではこれらの受験生への補償について、個別の事情を聴いた上で判断するという。