高い再犯率の中、わいせつ教員は5年経てば失効した免許が再取得できる? 専門家「子どもから遠ざけることが重要」

高い再犯率の中、わいせつ教員は5年経てば失効した免許が再取得できる? 専門家「子どもから遠ざけることが重要」
ABEMA TIMES 2020/9/4(金) 21:25配信

 2017年、愛知の小学校に勤務していた臨時講師が児童へのわいせつ行為でになった。実はこの教員は2013年、当時勤務していた埼玉の小学校でも児童ポルノ禁止法違反の容疑でされ、停職処分になっていたが、戸籍と名前の一部を変え職場に復帰していたことが後に判明している。

 現行の制度では、教員免許状は懲戒免職などによって失われたとしても、3年で再度取得することでき、職場復帰も可能となっている。しかしこのような再犯のケースが相次ぐことを踏まえ、文部科学省では欠格期間を5年に延長することを検討しているという。
 
 共同通信によるこの第一報に、萩生田光一文部科学大臣は「驚いた」としつつ、「厳格化を速やかに進めていきたいというのが私の思いなので、3年が5年でいい制度に変えることができるんだったら一つの案だと思う。ただ、こうした被害から子どもたちを守るには、より抜本的な仕組みの見直しが必要と考えている」とコメントしている。

 『ABEMA Prime』に出演した前文部科学大臣の柴山昌彦衆議院議員は「私が大臣を務めていた時期も国会で取り上げられていた。ただ、医師や保育士、あるいは弁護士など他の資格職の場合も、罪を償った後は復帰することができる。そのような法律上の議論、職業選択の自由といった憲法上の議論が大きなネックになっていた。とはいえ、教員は生徒を守らなくてはならない存在だ。より厳しい制度にできないか、ということで検討されてきた」として上で、次のように話す。

 「自治体間での情報連携がバラバラということもあるし、何とか検索に引っかからないよう、戸籍を変更するなどして、ごまかして教壇に立とうという人もいる。教育委員会や学校の先生や現場が問題を表面化させたくないという、隠蔽をさせようという体質も、私が大臣だった時にここを改革しなくてはいけないなと感じた」と述べた。責任の所在が非常に曖昧な中、再び素知らぬ顔で取得するということになると、やはり法制度の面で再発防止を図る仕組みが必要だ。例えば海外では問題を起こした人の身体にマイクロチップを埋め込むなどして、社会生活の中で子どもに近付くことができないようにするなど、抑止力として強力な対策を講じている国もある。やはり法制度だけではなく、治療も含め、トータルで対応していかなければならない」。

 一方、筑波大学の原田隆之教授(犯罪心理学)は「やはり様々な問題点があるので、感情的に拙速に決めてしまうことには反対だ。3年から5年に延長することで何かが大きく変わるかといえば、それも非常に疑問だ。また、この種の犯罪の場合、事前に計画を練ったり、非常に巧妙にやったりすることも多く、発覚を未然に防ぐというのは難しい。また、持って生まれた問題性を外部から事前に探知することも、やはり非常に難しい」と指摘する。

 「病気かどうかについてはケース毎にきちんと分析をする必要があるが、大人が子どもに対して性的な関心を持つというのは、小児性愛、ペドフィリアという病気だとされている。おそらく加害行為を行った教員も、その疑いが強いということになると思う。その場合は、治療が非常に大事になってくる。ただ、思想信条の自由、あるいは性的な嗜好性の自由もあるので、そこは犯罪行為とは分けて考えなければならないし、“治す”という点について言えば、難しいというのが正直なところだ」。

 その上で原田教授は「確かに海外ではGPSや、顔や名前を公表するといったような方法、あるいは“州立病院”という名前の刑務所に閉じ込めておく、というような国もある。しかし、果たして日本もそこまでいくべきなのか。人権の問題もあるし、“エビデンス”と言われるが、その施策に本当に効果があるのかどうかを冷静に見極めることが必要だ。やはり議論すべきは、いかに被害を出さないか、ということだと思う。問題行為を再発させてしまう、再犯に至ってしまうような刺激に近寄らないことが必要だ。教員の場合も、子どもに近寄らないよう、距離を置くことが治療の中核になると思う。その観点で言えば、3年、5年という期間を決めて、それが過ぎたら元に戻すというのはやはり適切ではない」とした。

 EXITのりんたろー。は、「小学校6年生の時、先生が裏でそういうことをしていたとわかり、“マジかよ”となった経験がある。性犯罪は再犯率が高いと聞く。他の資格との兼ね合いが、という話があったが、他の資格は仕事の対象がバラバラだが、教員は6歳から18歳という、人間形成の部分で大事な年代に限定されている。性癖や趣味は治らない部分もあるし、疾患なのであれば、その人のためにも職場から外してあげる、遠ざけてあげることが必要なのではないか」とコメント。

 兼近大樹も「お酒をやめたい、という人がバーで働いたら、絶対に飲んでしまうと思う。それと同じことで、被害者や周りのためだけでなく、本人のためにも関わらないようにした方がいい。自分がやったことは背負って生きていくというべきだというのが僕の中にはある。戸籍を変えてまでやろうとしてしまうということからも、遠ざけた方がいい。それは3年とか5年とか、そういう話ではないと思う」とした。

 また、フリーアナウンサーの柴田阿弥は「ニュースを読んでいてびっくりすることがある。“逮捕4回目”と書いてあったので、嘘だと思って確認したら本当だと。罪を償った人の人権は保障されるべきだと思うし、小児性愛など性的嗜好そのものを責めることはできないと思う一方、犯罪に至らないよう、自分でコントロールされている方もいると思う。性犯罪で受けた心の傷は一生治らないと思うし、再犯率も高い以上、数年後に先生として戻れる権利よりも、子どものことを優先させた方がいいのではないか」とコメント。

 『週刊東洋経済』の山田俊浩編集長は「例えば弁護士であれば弁護士会が除名処分にするなど、同業者の中でお互いにチェックし合う仕組みもある。すごく嫌な感じもするが、何らかの形で先生たちの間でチェックし合う仕組みもあっていいのかもしれない。職業選択という観点で言えば、学校で子どもと接するということではない形、例えば教育委員会で勤務させ、知見や能力を活かしてもらうといった対応もあり得ると思う」と提言した。

補足
“逮捕4回目”というと清水健太郎とか田代まさしの例を思い浮かべる人が多いと思いますが、余罪が多そうなので別の違反を理由に拘留するために2回目3回目の逮捕を行う場合が多いのです。

逮捕5回目の例

逮捕6回目の例

他、再逮捕の方々(2020年のみ)

一方、準強制わいせつ事件などで、すでに逮捕されている、道立登別明日中等教育学校の元副校長、鎌田祐一(かまだ・ゆういち)容疑者が、睡眠中の別の知人女性の服を脱がせるなどした疑いで、8日、再逮捕されました。鎌田容疑者の逮捕は3回目です。

これは前回の逮捕が5年前という「再犯の再逮捕」です。

編集していて久しぶりに気分悪くなりました。

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