「特別支援学級に行きなさい」 盛岡・小1不登校問題、学校が謝罪
毎日新聞 2022/2/11(金) 9:48配信
盛岡市の小学1年の男児が同級生の嫌がらせや担任教師への恐怖心から不登校になっている問題で、同市教育委員会が担任の威圧的な言動や校長の対応は「不適切だった」と認めた。市教委や保護者への取材で分かった。男児が通う小学校は8、9の両日に保護者説明会を開き、副校長が謝罪したという。市教委はいじめ調査委員会を設置し、改めて調査を進める。【日向米華】
説明会には保護者ら約90人が出席した。校長と担任は出席せず、副校長が「皆さまの信頼を裏切るような行為をしてしまったこと、大変な心配をかけてしまったこと深くおわび申し上げる」と謝罪した。
市教委は経緯や不適切な指導の内容について説明。担任が「指示が届かないいらだち」から児童の腕や手首などをつかんで教室から廊下などに連れ出し数分から数十分にわたり放置したり、プール学習で児童の腕を強くつかんで水から引き上げたりしたことを確認し、「人権や人間性を軽視し、児童の学ぶ権利を保障していない行為」と認めた。
また「幼稚園・保育園に戻りなさい」「特別支援学級に行きなさい」などの発言や必要以上の叱責もあり、「児童に対し恐怖感、侮辱感、人権侵害等の精神的な苦痛を与えた不適切な指導」とした。
一方、校長は担任が着任した2019年度から不適切な指導について認識していたが事実上放置し、3年間にわたり1年の担任にさせていた。男児の父親から相談を受けた際に校内で情報を共有せず、家庭訪問や電話連絡も怠ったとして、「実態に誠実に向き合い、学校を組織として動かしていくのは校長の責務だが、校長の対応は全く相反するものだった」と言及した。
市教委によると、担任教師と校長は不適切な言動があったことを認め、1月中旬から自宅待機となっている。校長の職務は副校長が代行し、1年の担任は別の教員が務めている。市教委は毎日新聞の取材に対し、「詳細は慎重に調査する」とした上で「保護者には担任を替えるなど迷惑をかけてしまったので、伝えられる部分は誠意を持って説明した」と話した。今後、報告書をまとめ県教委に提出するという。
男児は7月に父親が付き添うことで登校を再開。ところが父親が教室で目にしたのは、女性の担任教師が教室から児童を無理やり連れ出して廊下に立たせたり、「特別支援学校に行きなさい」「保育園、幼稚園に戻りなさい」などと不適切な発言で叱責したりする姿だった。父親は「小学生になったばかりの幼い子に取る対応ではない」と憤ったが、担任の言動に変化はなかったという。
同級生からけがをさせられる行為も続き、10月中旬に再び不登校となり今も通えていない。学校側から納得のいく説明はなく、父親が求めるまで宿題や連絡事項のプリントなども届けられなかった。父親は「学校は早い段階で適切な対応をすべきだった」と悔しさを募らせる。
毎日新聞は1月に学校と市教育委員会に男児への対応について取材したが、「個別事案のため」として明確な回答は得られなかった。しかし同月、担任と校長は指導や管理監督、保護者対応が不適切だったとして市教委から調査を受けていることが判明。2人は研修を受けるため学校現場から離れている。