川西高2自殺「いじめ関連付け困難」と報告書

川西高2自殺「いじめ関連付け困難」と報告書
読売新聞 2013年5月2日(木)14時14分配信

 兵庫県川西市で昨年9月に自殺した県立高2年の男子生徒(当時17歳)が同級生3人からいじめを受けていた問題で、学校が設置した第三者委員会(委員長=羽下大信・京都橘大教授)は2日、「生徒はいじめにより精神的苦痛を受け、無力感を覚えていたのは間違いないが、自殺と関連付けることは困難」とする報告書を、校長に提出した。

 いじめを発見できなかった点では学校の落ち度を認めない一方、自殺後、遺族の信頼を損なった校長らの対応を、「管理職としての役割を果たしていない」と批判した。

 男子生徒は昨年9月2日夜、自宅で自殺しているのが発見された。

 委員会は教育学や臨床心理の専門家や弁護士ら4人で構成。11月以降、21回会合を開き、同級生や教諭らから聞き取りを行った。

 報告書は、いじめに関係したのは、県警が1日に侮辱容疑で書類送検した同級生3人と判断。いじめの具体例として〈1〉「ムシ」と呼ぶ〈2〉イスの上に死んだ蛾(が)を置いた〈3〉コーラス大会の練習中、他の生徒をぶつけさせ、「菌がつく」と言った――など7項目を挙げた。

 学校側については「いじめの存在をつかむ手がかりはあったが、(加害者側も被害者側も、問題を抱えた生徒との認識がなく)いじめの存在を知るべきであった、疑うべきであった、とは断定できない」とした。

 ただし、生徒の自殺後、学校側が遺族に「自殺を在校生に伝える際、不慮の事故と説明させてもらえないか」と持ちかけた行為などは、「配慮に欠けた対応で不信感を招いた」と批判。「校内ではいつでもいじめが起きうるという前提が共有され、繰り返し確認されるプロセスが必要である」と指摘した。

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兵庫の高2自殺 いじめ理由否定 学校側第三者委、川西市側と別判断
産経新聞 2013年5月2日(木)14時44分配信

 兵庫県川西市で昨年9月に自殺した県立高校2年の男子生徒=当時(17)=がいじめを受けていた問題で、高校が設置した第三者委員会は2日、いじめと自殺との因果関係を認定できないとする内容の調査報告書をまとめた。同日の会合後、記者会見した羽下大信(はげだいしん)委員長(県臨床心理士会会長)は「(いじめに関する)本人の記述などがなく、関連があるというのは難しい」と説明した。

 一連の問題をめぐり、川西市の第三者機関は3月、「いじめも含めた環境が自殺の原因になった可能性は極めて高いと考えられる」との調査結果をまとめており、今回の報告書と判断が分かれた。

 生徒の両親は報告書について「内容が薄く、残念でならない。関連性がなかったの一言で済まされ、息子にどう報告すればいいのか分からない」と憤り、今後、高校の管理責任を問う民事訴訟を起こす考えを明らかにした。

 生徒は昨年9月2日に自宅で首をつって自殺。高校側には、いじめを把握しながら両親に伝えていないなど不適切な対応があった。兵庫県警は1日、同級生3人を生徒への侮辱容疑で書類送検した。

 報告書では、同級生らが生徒を「虫」と呼ぶなどのいじめがあったと認定した上で、いじめが生徒の無力感を生み「自尊心を低下させていった」と指摘。ただ、いじめに関するメモなど生徒が直接残した手がかりがなく、いじめと自殺の関連については「一直線に結びつけることができる明らかな事実は見いだせなかった」と結論づけた。

 高校側の責任については、同級生らを問題を抱えていない「ノーマークの存在」と認識していたため、「いじめを疑うべきであったとは断定できない」とした。

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