授業で負傷、重度障害 生徒側と県が和解
県立藤代紫水高校(取手市)で、体育の授業中に当時3年の男子生徒(24)が首の骨を折り、重度の障害が残ったのは担当教諭が指導や監督を怠ったためだとして、両親が県に約3億6700万円の損害賠償を求めた訴訟の和解協議が31日、水戸地裁(新谷晋司裁判長)で開かれた。県側が約2億7910万円を生徒側に支払うことで和解が成立した。
訴状によると、生徒は2006年10月25日、授業でバスケットボールの試合中、相手チームの生徒に背中を押されて体育館の壁に頭部から激突。頸椎(けいつい)骨折で首から下がマヒして自発呼吸もできず、日常的な介護が必要になった。
提訴は09年10月。生徒側は、教諭が身体的接触を禁ずるルールを指導する義務を怠り、事故発生時は別の作業をして目を離していたと主張。県側は当初、争う姿勢を見せたが、今年7月2日、地裁が和解案を示し、歩み寄った。
和解金の主な内訳は両親らの付き添い看護費約1億470万円、生徒の逸失利益約9950万円、電動車いすや呼吸器などの費用約3230万円。生徒側代理人は「教諭の過失など、主張はほぼ全て認められた」と述べた。
生徒はリハビリを重ねて声が出せるようになったといい、父親(50)は「息子とは『声優なんてどうだ』と将来について話している。もう遊び感覚での授業はやめてほしい」と述べ、母親(59)は「二度と同じ事故を起こさないよう、先生の危機管理意識を徹底してほしい」と訴えた。
県教育庁高校教育課は「教諭の指導や対応に問題はなかったと考えているが、生徒が生涯にわたり重い障害を受ける結果となったことを真摯(しんし)に受け止めた」と話した。
(2013年11月1日 読売新聞)