尹錫悦氏の大統領罷免、暴力事態は再発せず…“真空状態”維持した警備と長期審理が奏功

【04月06日 KOREA WAVE】韓国のユン・ソンニョル(尹錫悦)氏の大統領罷免の決定が下された4日、ソウル市鍾路区の憲法裁判所周辺では一部の突発的な行動を除き、概ね平穏な雰囲気が保たれた。これは2017年のパク・クネ(朴槿恵)氏の罷免時に暴力事態が発生したのと対照的だ。 専門家らは、今回大規模な衝突が発生しなかった背景として、警察が憲法裁周辺を「真空地帯」として厳重に封鎖した点と、長期にわたる憲法裁の審理を通じて国民の意見が十分に表明された点を挙げている。 4日午前11時40分ごろ、地下鉄3号線安国駅近くでは、20代とみられる男性が警察バスの窓ガラスを警棒で破壊し、現行犯逮捕される事件があった。警察はこの男を公用物損壊の疑いで逮捕し、使用された警棒も押収した。 また、同日午後0時49分には大統領公邸のある漢南洞(ハンナムドン)付近の商業施設で「焼身を図る」という通報があり、警察と消防が出動する騒ぎがあったが、可燃物は発見されず、事なきを得た。 全体的には警察の警備体制が奏功し、大規模な衝突には至らなかった。これは、8年前の2017年3月10日、パク・クネ氏の大統領罷免後に起きた混乱と明確に異なる。 当時は、憲法裁の判決直後に支持者が「国民抵抗権を発動する」として突入を図り、梯子を使って警察バスに登ったり、旗竿で警察官を突いたりするなどの暴力行為が相次ぎ、7時間以上にわたって憲法裁周辺が混乱に包まれた。結果として市民4人が命を落とす事態となった。 今回そのような事態が起きなかったのは、警察の徹底した警備計画が功を奏したためと見られる。警察は2日から憲法裁を中心に半径150メートルの警戒線を設け、4日には全国に「甲号非常(最高警戒態勢)」を発令して最大限の人員を動員し、周辺を厳重に管理した。 背景には、今年1月に発生したソウル西部地裁での騒動もあった。この時、ユン・ソンニョル氏に対する逮捕状が発布されると、憤った支持者らが法廷に乱入し、建物の外壁や窓を破壊するなどの暴挙に出た。この事件が、警察に危機意識を植え付けるきっかけとなった。 警察関係者は「1月の事件が大きな影響を与えた。反面教師として、今回はより多くの人員と物資を警備に投入した」と述べた。 また、今回の憲法裁の審理期間が長かったことも、過激な行動を抑える要因となった。昨年12月14日の国会での弾劾訴追案可決以降、ソウル都心では毎週末、賛否両派による集会が続き、国民が十分に意見を表明する機会を得ていた。 東国大学警察行政学科のイム・ジュンテ教授は「弾劾の過程で賛否両陣営が長期間にわたり意見を表明できたこと、そして最終的に憲法裁が全員一致で罷免を決定したことが、反対派の納得を一定程度引き出した」と分析している。 (c)KOREA WAVE/AFPBB News

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