Ted Hesson [ワシントン 26日 ロイター] – ロイターとイプソスが米国で実施した世論調査で約49%がトランプ大統領の移民政策を支持し、うち共和党支持者は約86%に上った。トランプ氏の国政進出以来、米国人は移民に対するタカ派的な姿勢を強めていることが改めて浮き彫りになった。 一方、移民政策と並んで2024年の大統領選で大きな争点となった物価高対策を評価したのは38%にとどまり、共和党支持者でも約69%だった。経済を最優先課題に挙げたのは移民問題の約2倍となり、トランプ氏に警鐘を鳴らした格好だ。 今回の調査は3月21―23日に実施。メキシコから米国へ不法入国しようとして捕まった移民は今年2月に過去数十年間で最低水準まで減り、米税関・国境取締局(CBP)の職員2人は3月も横ばいか、さらに減少するペースだと、内部データに基づいて明らかにした。 共和党の世論調査担当者ウィット・エアーズ氏は、トランプ氏が不法移民の流入阻止、経済成長の促進、物価高の抑制、人種と性別を多様化するリベラルな政策の否定という4つの核心的な課題に焦点を当てることで大統領に返り咲くことができたと指摘。エアーズ氏は「これらの4つの課題の中で、移民問題が最も成功しているのは明らかだ」とした一方で、関税によって経済を脅かしている「インフレ率は上昇を続け、さまざまな経済指標は移民の指標に遠く及ばない」との見方を示した。 トランプ氏の就任後の支持率は全体的にほぼ安定しており、今回の調査では45%が評価した。これは第1次トランプ政権中の大方の評価より高く、バイデン前大統領の評価を上回っている。 調査では、国内での生活費を評価するとの回答は34%、外交政策を評価するとしたのは37%にとどまった。 今回の調査では、米国に不法滞在している移民の強制送還を増やすことを支持するとの回答は約60%に上り、第1次トランプ政権時の約半数から上昇した。 野党民主党は第1次トランプ政権では移民政策に猛反発していた。一方、トランプ氏が1798年に制定された「敵性外国人法」を適用し、ベネズエラから犯罪組織のメンバーらをエルサルバドルの収容施設に送還した措置を含め、第2次政権下ではあまり声を荒げていない。 今回の調査では、米国に不法滞在している移民は「逮捕され、強制送還の審理を待つ間は収容所に入れられるべきだ」という意見に賛成するとの回答は39%にとどまった。反対するとの回答は48%に達した。 移民支援団体「移民ハブ」の共同エグゼクティブディレクター、ベアトリス・ロペス氏は「米国民は反移民ではなく、反カオスなだけだ」との見方を示す。ロペス氏は、トランプ氏が犯罪者でない移民法違反の逮捕者を増やし、既に米国にいる人々から法的地位を剥奪しようとすることで世論の反発を受ける可能性があるとして「(トランプ氏は)明らかに犯罪者ではなく、自分たちの考える米国に適さない人々を狙い撃ちしている」と批判した。