LINEいじめは「言葉遊びだと思う」 自殺した高1生徒めぐり校長が法廷で証言
都立高校男子生徒いじめ自殺訴訟
渋井 哲也
文春オンライン 2022/2/2(水) 6:12配信
訴状などによると、高校入学後の2015年4月から、Aさんは嫌がる呼び名で同級生から連呼されたり、無視などされていた。同年9月27日、大月駅のホームから飛び降り、電車にはねられ、死亡した。
訴訟前に行った「個人情報開示請求」では、同年4〜5月、Aさんが学校のアンケートに悩みを記載し、スクールカウンセラーの相談を希望していたことが明らかになった。9月には保健室を4回も利用していたことがわかったが、保護者への連絡はなかった。
今年1月20日の尋問で、Aさんの母親は「(Aさんの死後)スマホ、Twitter、LINEを調べました。すると、いじめがあったことがわかった。学校が息子のSOSに気が付いたら、自死しなかったのではないか」と話した。母親は、クラウドデータを復活させることができ、部活動のグループLINEで、嫌がる名前を連呼されていたことが判明。その連呼が「テロ行為」と呼ばれていたことも指摘した。
2021年11月12日には校長の証言があった。Aさんの死後に実施されたアンケート原本は校長によって破棄された。遺族が個人情報開示請求を求めた際に、「不存在」とされていた。しかし、裁判で、改めて文書の提出のやりとりをしていた際、校長のパソコンに一部が残っていることが明らかになった。自殺後に行われた調査内容の一部に関する写し。都教委の「学校経営支援センター」が教員から聞き取ったもの。A4で60枚。
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男子生徒は昨年9月27日、山梨県大月市のJR大月駅のホームから線路に飛び込み、特急列車にはねられ死亡した。遺書もなく、縁もゆかりもない場所での自殺だった。手がかりを求め、母親は息子の死後、携帯電話のロックを解除し、ツイッターの書き込みを見て驚いた。そこには、「死んでしまいたい」「飛び込みたくなった」「ホームドアがあってよかった」といった、自殺をほのめかす内容があったという。
初めて書き込みを見たという母親は、「本当にびっくりした。生きているときに見ていたら、学校には行かせていなかった」と悔やんだ。