尽きぬ「教育者の犯罪」 揺らぐ信頼感 広島

尽きぬ「教育者の犯罪」 揺らぐ信頼感 広島
産経新聞 2011年3月3日(木)8時0分配信

 ■「社会全体として注視を」

 「車に乗せて乱暴しようと思った」。広島市安佐北区で2月27日、中学の女子生徒にモデルガンを突きつけ、連れ去ろうとしたが県警に逮捕された。教育者とはとても思えない異常な事件。関係者は「再発防止に努めたい」と繰り返すが、具体策は見えない。比治山大の高橋超学長(社会心理学)は「子供の人間形成に影響し、教育への信頼感を損なう。影響は計り知れない」と厳しく指弾する。

 文部科学省によると、平成21年度に懲戒処分を受けた公立学校の教職員は、全国で943人に上った。このうち、わいせつ行為やセクシャルハラスメントにからむ処分は全体の14・6%にあたる138人で、交通事故や体罰に次いで多かった。

 県内では20年度に6人、21年度に9人がわいせつ行為で懲戒処分を受け、今年度も2月末までに4人が懲戒処分を受けた。

 のほか、1月にはが懲戒免職処分を受けたばかり。20年にはなど、悪質さも目立っている。

 相次ぐ不祥事に、県教委の対策はどうか。21年に外部の専門家でつくる「不祥事根絶対策専門家会議」を設置。同会議は教職員の規範意識の欠如や不祥事防止対策の不十分さを問題点として挙げ、研修資料の改善や教職員でつくる不祥事防止委員会を各学校に置くことなどを提言した。

 今年1月、県教委は教職員に、この提言内容や具体的な不祥事の事例を盛り込んだ研修資料を配布した。その矢先、今回の誘拐未遂事件が起きた。

 県教委の担当者は「遺憾というほかない。不祥事防止に資料を配ったばかりなのに…」と肩を落とす。

 県民から連日、厳しい問い合わせが寄せられており、「今は資料を徹底して活用し、職場で丁寧に面談を行っていくしかない」と話している。

 専門家会議で座長を務めた比治山大の高橋学長。問題を起こした教職員の倫理観や規範意識の緩みを指摘する一方、「他の教職員の危機感が不十分なのではないか」と分析する。

 そのうえで「(不祥事は)子供の人間形成に影響し、教育への信頼感を損なうもので、影響は計り知れない。自らの足元を揺るがす重大な問題と受け止めなければ、また問題は起こる」と指摘。

 「教育現場の面談だけでは限界がある。メディアが不祥事のときだけでなく、絶えず学校の報道をして、社会全体として注視していくべきだ」と話した。

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