大津市議会一般質問 いじめ相談室設置検討へ

大津市議会一般質問 いじめ相談室設置検討へ
産経新聞 2012年9月11日(火)7時55分配信

 ■中2自殺に質問集中

 大津市の9月定例議会の一般質問が10日始まり、市立中学2年の男子生徒が昨年10月自殺した問題に、質問が集中した。いじめ問題に専門的に取り組む相談室新設を提案した質問もあり、越直美市長は「他都市の事例などを調査したい」と述べ、報道陣に設置を「検討する」と明言した。一方、先月の襲撃事件で負傷した澤村憲次教育長は加療のため欠席し、松田哲男教育部長が代わりに答弁した。

 中2自殺問題は7月に、市教委が全校生徒に対するアンケートのうち一部を公表していなかったことが判明。県警が市教委と男子生徒が通っていた学校を家宅捜索し、在校生らへの事情聴取を行うなど急展開したが、7、8月は議会が閉会中だったため、議員からの本格的な質問はこの日が初めてとなった。

 初日は8人の議員が質問し、4番目の桐田真人議員(湖誠会)は、いじめの相談窓口が市教育相談センターや大津少年センター、市人権擁護委員など複数あり一元化されていないとして、24時間態勢で対応し、いじめ問題を専門的に取り組む相談室の新設を求めた。これに対し越市長は「本市としてどのような方策がとれるか調査研究を行う」と答え、報道陣に設置を検討していく考えを示した。

 一方、男子生徒の父親がいじめが自殺の原因として市などに損害賠償を求めた訴訟についても質問が相次いだ。和解協議の意向を示している越市長はいじめと自殺との関係を考察するため8月25日に立ち上がった第三者調査委員会で「(学校で)何が起きたのかを明らかにしたうえで(訴訟を)解決していきたい」と説明、第三者委の調査が和解の前提となる考えを改めて表明した。

 また、選挙で選ばれずに教育行政が決められる教育委員会のあり方について問われた越市長は「教育委員会制度を廃止するか、地方公共団体の判断で設置を選択できるようにすべきか、公選制にするかなど、大いに議論する時期にきている」と自身の見解を述べた。

 一般質問は11、12日も行われるが、澤村教育長は加療のため欠席する見通し。

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