遺族「教師が暴行目撃」 大津中2自殺・口頭弁論
京都新聞 2012年9月18日(火)23時49分配信
大津市で昨年10月、中学2年の男子生徒が自殺した問題で、男子生徒の両親が市や同級生らに計約7700万円の損害賠償を求めている訴訟の第3回口頭弁論が18日、大津地裁(長谷部幸弥裁判長)であった。市側は、男子生徒へのいじめに関連する資料22点を提出した。
一方、遺族側の代理人は弁論後の記者会見で、この資料の中に、男子生徒の自殺前に、学校側がいじめとの認識を持っていた可能性を示す記述が存在することを明かした。
市側が提出した資料は▽教師が生徒に聞き取り調査した70人分のメモ▽男子生徒がいじめで負傷した際の保健室の記録▽教師の業務日誌▽職員会議録▽学校側の市教委への報告書−など。
弁論で市側は、男子生徒が受けていたいじめの内容や自殺との因果関係、自殺の予見可能性などを示す資料について、今後、市側の有利不利を問わず積極的に開示していく方針を示した。
遺族側は、教師らがいじめを放置していたとする書面を提出。担任教師は昨年9月下旬に男子生徒が同級生からトイレで暴行を受けているのを目撃しながら、詳細を調べず立ち去ったと主張した。
被告の3人の同級生側は、遺族が主張する男子生徒への恐喝や金品の要求、万引の強要などのいじめ行為について、全面的に否認する書面を出した。
次回の第4回口頭弁論は11月27日に開かれる。
父親は代理人を通じて「なぜいじめに関する情報が教師の間で共有されず、対策を講じなかったのか」とのコメントを出した。