「不慮の事故」遺族に口止め 校長が認める 兵庫の高2自殺

「不慮の事故」遺族に口止め 校長が認める 兵庫の高2自殺
産経新聞 2012年9月20日(木)15時17分配信

 兵庫県川西市で今月2日に自殺した県立高校2年の男子生徒(17)がいじめを受けていた問題で、高校側が、生徒だけでなく教諭を対象にしたいじめ問題などの調査を検討していることが20日、分かった。高校は、自殺した生徒と同学年の2年生を対象にすでに実施したアンケートや聞き取り調査について、1、3年生にも広げる方向で検討しており、調査対象を教諭にも拡大することで、いじめに関する詳細な情報を把握し「(自殺した)生徒の両親に伝えたい」としている。

 また、校長が学年集会で生徒の自殺を「不慮の事故」と説明することを両親に打診した数日後、両親に「(打診を)他の人に言われては困る」と求めていたことが新たに判明。校長は発言について「言った覚えがある」と認めている。

 両親によると、校長は生徒の自殺翌日の3日、電話で「不慮の事故」という表現を持ちかけた。両親は断り、校長は集会で「自ら命を絶った」と報告した。その後、生徒の自宅を突然訪れ、両親に口外しないよう頼んだという。

 一方、高校は、生徒の自殺後、複数の生徒から「虫」と呼ばれていたという情報が寄せられたことを受け、2年生へのアンケートなどを実施。結果、同級生から「虫」や「菌」と呼ばれたり、椅子に蛾(が)の死骸を置かれたりするなどのいじめがあったことが分かった。

 また、自殺の約3カ月前、生徒への嫌がらせ行為を別の生徒が目撃し、担任教諭に伝えたが、この情報を生徒の両親に伝えていなかったことも判明。こうした対応に両親は不信感を募らせ、真相解明を強く要望していた。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする