担任、生徒に直接謝罪 横浜原発いじめ「SOS気付けず」
東京新聞 2017年3月25日 朝刊
東京電力福島第一原発事故で福島県から横浜市に避難した男子生徒(13)のいじめ問題で、生徒と保護者が二十四日夜、当時いじめの対応をした小学四、五年時の担任と副校長ら五人と市内で面会した。生徒側などによると、担任らはいじめへの対応が遅れたことに「ごめんね。申し訳なかった」と謝罪した。面会と直接の謝罪は昨年十一月の問題発覚後初めて。
生徒へのいじめは、転入直後の小学二年から不登校になる五年まで続いた。生徒側によると、四、五年の担任二人は、被害の訴えに対応してくれなかった。また、百五十万円とされる金銭授受を相談した保護者に対し、副校長は「生徒が自ら進んで払ったのでは」と話したという。このため生徒側は担任と副校長の謝罪を求めていた。
この日の面会で担任らは「(生徒の)SOSに気付けず、傷つけた」と謝罪。副校長や市教育委員会は当時、いじめの定義を十分に理解せず、対応が遅れたと謝った。生徒の保護者は弁護士を通じ、市教委などが定義を理解していなかったことを「衝撃でした」としつつ、市教委の説明に「一定の理解はしたい」とした。生徒は最初は緊張していたが「(担任らから)話が聞けて良かった」と話し、明るい表情に変わったという。
市教委は二十七日、今回の反省を生かした再発防止策を決定する。ただ、防止策を議論する市教委の会議は非公開で、保護者は二十五日に「議事録のホームページでの公開」「市教委や学校の閉鎖体質の改善」などを求める要望書を市教委に提出する。市教委の伊東裕子担当部長は「貴重な意見なので、きちんと要望を受けとめたい」と話した。