<大阪市教委>独自の「いじめ対策」 教育振興計画素案
毎日新聞 2012年10月2日(火)22時46分配信
大阪市教委は2日、13〜15年度の教育目標を定める教育振興基本計画の素案を有識者らで作る会議に示した。いじめや問題行動を起こす生徒を出席停止にし、校外の適応指導教室で指導する独自の「いじめ対策」などを盛り込んだ。これに対し橋下徹市長は、教師が生徒を教室で立たせるなどの「懲戒」について「文部科学省のぬるいガイドライン以上にしっかりした指針を出すべきだ」と述べ、市独自の基準を策定するよう求めた。
学校教育法は「教育上必要がある」場合、生徒に懲戒を加えられると規定する一方、体罰を禁止。文部科学省は▽授業中、教室に起立させる▽学習課題や清掃活動を課す−−などは懲戒の範囲内で体罰には当たらないと例示している。
この日の会議で橋下市長は「もみあげをつまんで引き上げるくらいまではいいと思う」と問題提起。「過剰に暴力をふるう子供は殴られた経験がないから、どこまでやっていいか分からない。痛さが分かれば歯止めになる」と話し、市独自でルール化する必要性を強調したが、今後、体罰との線引きが問題になりそうだ。
市教委が示した素案では、いじめ対策のほか、やる気のある教員への予算割り当てなど橋下市長の意向が反映された。小学校低学年での理科・社会の復活も盛り込まれた。年内に最終案をまとめ、来年2月市議会での議決を目指す。【林由紀子、茶谷亮】
◆大阪市教育振興基本計画(素案)の概要◆
・小学校低学年での理科・社会の復活
・小学校低学年からの英語教育
・電子教科書やタブレットPCの活用
・人事、予算面での校長の権限強化
・やる気のある教員への予算割り当て
・学校選択制の導入
・学力調査結果など学校情報の積極提供
・いじめや問題行動を起こす子どもの出席停
止や特別校、適応指導教室の設置
・習熟の遅れを取り戻す特別校の設置