(朝鮮日報日本語版) 安重根の遺墨盗難で朴槿恵氏にぬれぎぬ、大学教授の書き込みとは

(朝鮮日報日本語版) 安重根の遺墨盗難で朴槿恵氏にぬれぎぬ、大学教授の書き込みとは
朝鮮日報日本語版 2013年10月30日(水)11時19分配信

 詩人で又石大学教授の安度眩(アン・ドヒョン)氏は昨年末、大統領選挙の投票日を9日後に控えた12月10日午前2時26分「宝物第569−4号に指定されている安重根(アン・ジュングン)義士の遺墨は誰が盗んだのか」という文章をツイッターに書き込んだ。その後も安氏はツイッターを通じ、問題の遺墨の行方と朴槿恵(パク・クンヘ)候補(当時)に何らかの関係があるかのように何度も印象付けようとした。宝物第569号は安重根が伊藤博文を射殺して以降、旅順監獄で殉国するまでの間に残した複数の遺墨の一部だ。当時は朴候補と文在寅(ムン・ジェイン)候補の支持率が拮抗(きっこう)しているとのニュースが連日報じられていた時期で、安氏はその2カ月前から文在寅氏の共同選挙対策委員長を務めていた。

 翌11日午前4時55分までに安氏は17の文章を立て続けにツイッターに書き込んだが、その中には1970年代の初めに日本から持ち込まれ、大統領府に寄贈された安重根の遺墨1点が盗難されたことと、これを朴槿恵氏が所有していることをにじませるようなものがあった。安氏は「1979年以降、どの目録を見ても所蔵者は朴槿恵と記載されている。もしかすると朴候補が盗んだのかもしれない」と主張。また朴槿恵氏に対し「所蔵に至った経緯と盗難の経緯を説明してほしい」と要求し「この機会に遺墨を国に返還する考えはないのか」と問い詰める書き込みもあった。

 与党セヌリ党は12月10日の声明で「かつてMBCの報道番組『時事マガジン2580』でもこの問題は取り上げられたことがあり、このときに朴槿恵候補が(問題の遺墨を)所有していないことは確認された」などと反論したが、安氏は11日の深夜に「誰がうそをついているのか突き詰めよう」「しらを切るだけでは終わらない」など4回にわたりツイッターへの書き込みを行った。

 検察の捜査によると、問題の遺墨は1976年に大統領府に寄贈されて以降、その所在ははっきりしていなかったが、1993年にある日刊紙が「朴槿恵氏が所蔵している」との記事を掲載し、一部の目録がこの記事を転載。2009年になってやっと「大統領府所蔵」に変更されたことが分かった。

 検察は「朴槿恵氏を落選させることを目的に、虚偽の疑惑を流布しただけにとどまらず、朴槿恵氏が持ち去ったかのように暗示し『泥棒』という言葉を使って意図的に中傷した」として安氏を起訴し、罰金1000万ウォン(現在のレートで約92万円)を求刑した。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする