堀越学園元理事長横領:容疑で逮捕 知人の美術品を−−県警 /群馬

堀越学園元理事長横領:容疑で逮捕 知人の美術品を−−県警 /群馬
毎日新聞 2012年12月1日(土)12時32分配信

 文部科学省が来年3月末までに法人解散命令を出すことを決めている学校法人堀越学園(高崎市)の元理事長が、知人の古美術品に無断で譲渡担保権を設定したとして、県警捜査2課と高崎署は30日、同市乗附町、堀越哲二容疑者(64)を横領容疑で逮捕した。堀越容疑者は「一切お答えできません」と供述しているという。【増田勝彦、角田直哉、田ノ上達也】
 逮捕容疑は、10年1月上旬、同学園が貸金業者から6500万円の融資を受ける際、知人で東京都港区の社団法人役員の男性(43)から借り受けた美術品約100点(時価数億円相当)に、無断で譲渡担保権を設定し、横領したとしている。
 同課によると、堀越容疑者は、09年8月中旬、男性からつぼや陶器、甲冑(かっちゅう)などの美術品を借り受け、同学園が運営する高崎医療技術福祉専門学校(同市下滝町)の敷地内にある日本家屋で保管していた。
 10年2月下旬には融資の返済を終え、譲渡担保権は解除されたが、その後、大半の美術品が第三者に売却されたとみられる。
 10年5月に男性の父が県警に告訴。県警は11年7月、同学園の学生寮を家宅捜索し、古美術品の一部を押収した。
 この家宅捜索直後、堀越容疑者は、創造学園大ホームページに「個人的に寄付を受けた品物を、学生寮で保管していた。電話での会話が記録されており、本人から寄付の意思が述べられている」との内容の「お詫(わ)び」を掲載していた。
 堀越容疑者は1977年5月から同学園理事、養父が死亡した06年6月に理事長に就任したが、11年1月に経営責任を理由に理事長職を辞任。
 同大学長・理事も今年1月の理事会で解任決議されたが、地位保全を認める仮処分決定が出され、前橋地裁高崎支部で本訴が審理されている。=一部地域既報
 ◇逮捕・捜索「学園は責任を全うせよ」 学生、保護者ら衝撃
 県警は午前7時ごろ、堀越容疑者の自宅を訪問し、逮捕状を執行した。同7時15分、黒いトレーナー姿の堀越容疑者は捜査員に伴われてワゴン車に乗り込み、高崎署に向かった。午後は創造学園大などの関係場所を家宅捜索した。
 堀越容疑者の活動拠点である「学長室」などのある中山キャンパス(高崎市吉井町岩崎)には、午後1時過ぎ、捜査員十数人が段ボール箱を抱えて、正門近くの建物内へ。同大ソーシャルワーク学部のある八千代キャンパス(同市八千代町2)には同2時14分、捜査員11人が事務室に入り、関係書類を押収した。
 一方、同学園の王豊理事長は「学生、保護者に迷惑と心配をかけ、誠に申し訳ない」と陳謝。さらに「捜査にはできるだけ協力したい。ただ、事件は個人の行為が問題で、学園として直接の関係はないと考えている。厳しい経営状況にあるが、学生が混乱なく学べる環境を早く整えたい」とコメントした。
 創造学園大など同学園が運営する学校の学生、保護者らで組織する「(堀越学園)あしたの会」の代表幹事は「逮捕されたことはショックだ。学園は非常に厳しい段階で、理事会は学生の転学や卒業に全力を尽くし、責任を全うしてほしい」と話した。
 創造学園大4年の男子学生(22)=前橋市=は「逮捕されたからといって大学が残るかどうかは別の問題。自分は4年だからいいけれど、後輩たちにとっては進路の方が大切だ」と述べた。
12月1日朝刊

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