内柴被告に「隠し子」疑惑、“玩具”常備… 次々明かされる事件背景
産経新聞 2012年12月2日(日)12時53分配信
泥酔した教え子の女子柔道部員に乱暴したとして、準強姦罪に問われたアテネ、北京両五輪の柔道金メダリスト、内柴正人被告(34)の東京地裁公判。11月28、29日に行われた被告人質問の後半では、事件をめぐる複雑な背景事情が次々に明らかにされていった。(時吉達也)
■第3の女子部員登場、柔道部内の「本妻」?
11月29日の2日目の被告人質問では、合宿に参加していた「第3の女子部員」の存在も明言された。事件以前から性的関係が続き、すでに部内で問題が取り上げられたこともあったという。内柴被告は今回の事件が発覚した際、同様の事態が再び起きることを懸念した、と説明した。
左陪席の女性裁判官は、部員3人との性行為に対する内柴被告の認識を尋ねた。
裁判官「××(第3の女子部員)との関係は、今回の2人と比べて『悪さ』が違う、と考えていますか」
被告「悪さ? …まあ、2人については、酒に酔っていて軽はずみでした。でも、そんなに軽い気持ちでやったわけでもありません。今でも2人に(柔道で)頑張ってほしい気持ちです。××に隠れてこそこそとやったことは、××に悪いことをしたな、と思います」
既婚者であることを前提に、不倫行為に対する認識を問うた裁判官だったが、被告は××との関係には後ろめたさを感じていない様子。本来の妻の存在には思いが及ばなかったようだ。
■「死のうと思った」
事件翌朝、2人との性行為について他の女子部員らに追及され、あっさりと認めた被告。「生徒じゃなくて学生なんだからいいじゃん」と楽観していたが、部員2人が乱暴被害を訴え、事態は急展開していく。
同僚コーチが大学に提出した事件の報告書では当初、飲酒などの状況が省略されていた。「部員が練習で疲れて寝ていたところ、部屋に入り、性行為に及んだ」。同僚コーチは法廷で、未成年の学生との飲酒を隠した理由について「学長の指示だった」と証言している。被告は「これ、クビどころか逮捕だよ」と、状況の深刻さに気づいたという。
大学追放は確実になり、「俺から柔道をとったら何も残らない」と精神的に追い込まれていった被告。弁護人に当時の心境を問われ、「死のうと思いました」と涙ながらに振り返った。
■一転、「記憶にない」連発
事件とは直接関連のない女性関係まで、あけすけに語った被告。一方、検察側の被告人質問ではとたんに口が重くなり、「覚えていない」「記憶がない」を連発した。
検察官「あなたからキスをしたんですか。キスをされたんですか」
被害部員との性行為の発端となったカラオケ店内での行為についてさえ、曖昧な返答に終始する。
被告「どうでしょうか。何かきっかけが生まれたのか。男としての何かのスイッチが入ったのか。どちらからともなく? あうんの呼吸…」
検察官「逮捕前に、大学の調査や弁護士への相談でもキスの話をしていませんよね」
被告「忘れていたか、話す必要がなかったか。今となっては分かりません。あの頃はバタバタしていたので…」
検察側はまた、事件後に内柴被告が関係者に送信した携帯メールを次々に挙げた。「口裏を合わせてでも、本当も嘘も使ってかばってほしかった」「そもそも俺がインポってことにすれば…」。隠蔽工作を疑わせる内容について、内柴被告は「当時はパニックになったりへこんだり、混乱していた」と釈明した。
■学生に「ハメられた」? 証言も
被告人質問に先だって行われた証人尋問では、事件背景の複雑さを示唆するような証言も飛び出した。
カラオケに同席した同僚コーチは、内柴被告と部員の性的接触を「見ていない」と否定。検察側の証人として、部員らの主張に沿う内容を話した。しかし、事件翌日に事後避妊のため部員2人を病院に連れて行った際の会話は、内柴被告の犯行の事実を疑わせるものだったという。
証人「『ハメますか、ハメませんか』という話があった。被害部員が、別の部員の1人に電話したそう。電話の相手は『みんながするなら協力するけど、私自身はしたくない』と言った、とのことだった。聞き間違いだったかもしれないが、『ハメる』というのは内柴先輩を辞めさせることかな、と思った」
また、部員の父親の1人からは事件後、「自分を大学のコーチにしろ」という要求もあったと証言した。
■師範室の“玩具”
一方で、このコーチは内柴被告の依頼を受け、大学の師範室などに隠してあった成人向け玩具やDVD、避妊具の処分を行ったとも説明。内柴被告が教え子と常態的に性的行為に及んでいた疑いも浮上した。
さらに、被告人質問の終盤では、内柴被告が過去に交際した女性に、子供の養育費を送っていたことも明らかにされた。
弁護人「隠し子はいますか」
被告「いません」
弁護人「子供をめぐるトラブルはあったんですね」
被告「自分の子供として認知する、ということではなかった。付き合いがあって、情もあるじゃないですか」
弁護人「トラブル解決のためのお金ということ?」
被告「まあ、そうです」 2日間の被告人質問を終え、証拠調べは全て終了した。12月27日に結審し、年明けに判決が言い渡される見通し。