(朝鮮日報日本語版) 左派偏向の歴史教科書、韓国の高校の9割が採択
朝鮮日報日本語版 2014年1月10日(金)10時43分配信
今年3月の新学期から全国1714の高校で使用される韓国史の教科書のうち、9日時点で最も多く採択されたのは未来&が発行したもので、続いて飛翔教育、天才教育、金星出版社の順になっていた。
教育部(省に相当)が与党セヌリ党の徐相箕(ソ・サンギ)議員に提出した『2014学年度における韓国史採択の現状』と題された報告書によると、未来&発行の教科書を採択した高校の数は525校で最も多く、以下飛翔教育516校、天才教育283校、金星出版社145校、斗山東亜69校となっていた。
また比較的中道とされる志学社とリベルスクールの教科書を採択したのはそれぞれ100校と76校で、率にすると二つ合わせてもわずか10.3%にとどまった。
計8種類ある教科書の中でも非常にリベラルとされる未来&、飛翔教育、天才教育、金星出版社、斗山東亜の5種の採択率は合計すると89.7%に達した。
一方で保守系の学者グループによって執筆され、今回初めて検定を通過した教学社の教科書を採択した高校は全国に1校もなかった。当初は20以上の高校がこの教科書を採択していたが、全国教職員労働組合(全教組)などの圧力を受け、全ての高校が採択を撤回した。全教組は学校前でのデモ、組織的な抗議電話、大字報(壁新聞)などによりこの教科書を採択した高校に圧力を加えていたという。
最後まで教学社の教科書採択を目指していた青松総合女子高校も、9日になって撤回した。前日午後には全教組の組合員や農民会会員など30人以上が学校を訪れ、教学社の教科書採択撤回を強く要求していたという。抗議を受けた青松高校は9日朝から父兄懇談会と学校運営委員会を立て続けに開催し、撤回を正式決定した。
明知大学の姜圭炯(カン・ギュヒョン)教授は「近現代史研究者の中には左翼イデオロギーを信奉する人間が多い。このような状況ではバランスの取れた観点を韓国史の教科書に反映させることはできなかった」とした上で「新学期からは多くの高校で、生徒たちはリベラルかつ左翼的な傾向の強い教科書を使って韓国の歴史を勉強することになる」とコメントした。