元常務理事、横領容疑で書類送検へ 京都市保育園連盟補助金流用

元常務理事、横領容疑で書類送検へ 京都市保育園連盟補助金流用
京都新聞 2014年3月10日(月)9時9分配信

 京都市内の民間保育園でつくる(中京区)が市補助金の剰余金を不正流用していた問題で、京都府警が、業務上横領の疑いで、70代の当時の同連盟常務理事=懲戒解雇=を書類送検する方針を固めたことが9日、捜査関係者への取材で分かった。
 捜査関係者によると、元常務理事は「剰余金を口座に移したのは、調査費として前理事長(故人)に渡すためだった。私的には使っていない」との趣旨を供述し、犯意を否認している、という。
 捜査関係者の説明では、元常務理事は、同連盟の会計責任者を務めていた2007年ごろ、市補助金の剰余金がある口座から約600万円を個人の口座に移して私的に流用した疑いが持たれている。
 元常務理事の不正流用は07年の大阪国税局の調査をきっかけに発覚。同連盟は調査委員会を設け、元常務理事が02年1月〜07年11月に剰余金がある口座から約3600万円を流用し、個人消費するなどしたと判断した。同連盟によると、元常務理事に約6600万円の返還を命じた民事訴訟の判決が12年7月に確定した、という。
 同連盟が昨年、府警に告訴していた。府警は時効分を除いた額を同容疑で裏付けた。
 元常務理事は市OBで、1999年5月に同連盟に再就職し、09年4月にこの問題を受けて懲戒解雇になった。元常務理事からの返還は一部にとどまっているという。
 市監査委員は09年に特別監査を実施し、同連盟のずさんな剰余金運用が判明した。同連盟が簿外処理した剰余金は08年度までに約6億7千万円に上り、予算目的外である保育士の人件費などに使っていたと認定した。目的外の補助支出を自ら決めるなど、市が積極的に流用に関わっていた実態も明らかになった。

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