体罰教員名を公開 加害者が担任なら対象外 神戸市教委

体罰教員名を公開 加害者が担任なら対象外 神戸市教委
神戸新聞NEXT 2014年10月9日 7時2分配信

 神戸市教育委員会は8日までに、市立学校から提出された体罰報告書について、情報公開請求があれば、学級担任が加害者の場合などを除き、体罰をした教職員名を公開することを決めた。従来の全面非公開からの方針転換だが、同市情報公開審査会の答申よりも非公開の範囲を大幅に広げた。

 神戸新聞社が2013年5月、神戸市教委に対し、市立学校が同年1月下旬以降に提出した体罰報告書の公開を請求。市教委は100件の内容や学校名、被害児童・生徒の学年などを公開したが、体罰をした教職員名を非公開としたため、同年6月、審査会に異議を申し立てた。

 審査会の答申は14年8月。被害児童・生徒のプライバシーに配慮するため、部活動の顧問と主将のように、体罰をした教職員と児童・生徒の関係から被害者が特定できる場合など6件を除き、教職員名の公開を求めた。

 答申を受けて市教委は、教育委員会会議を開き非公開で審議。教職員のプライバシーについては「体罰情報は職務の遂行に関する情報であり、公にしないことは正当ではない」とした答申内容を受け入れた。

 一方で、答申は学級担任が加害者の場合も教職員名の公開を求めたのに対し、市教委は、同じ学校に通う児童・生徒や保護者らが被害児童・生徒を特定できるなどとして、担任による体罰の場合などは教職員名を非公開とすることを決めた。

 この結果、審査会が94件について公開すべきだとしたのに対し、市教委の公開は48件にとどまった。

 体罰報告書をめぐっては12年、兵庫県教委に対し教職員名の公開を命じた大阪高裁判決が確定。これを受け、県教委は体罰をした教職員名の原則公開を決めた。また大阪市教委は今年9月、神戸市の審査会の答申などを踏まえ、学級担任が加害者の場合も含め原則公開を決めている。(紺野大樹、田中陽一)

【恣意的な線引き】体罰報告書の問題に詳しい神戸大大学院の馬場健一教授(法社会学)の話

 審査会の答申は、これまでの判例も踏まえて情報公開の専門家らが出したもので、それを尊重しない市教委の判断は独善的だ。小学校では学級担任による体罰が大半だが、担任が加害者の場合は名前を公開しないなど、恣意(しい)的な線引きにもみえる。教職員を守っているという見方をされても仕方がない。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする