元校長、買春1万2千人 わいせつ画像14万枚

元校長、買春1万2千人 わいせつ画像14万枚
カナロコ by 神奈川新聞 2015年4月9日 7時3分配信

 渡航先のフィリピンで少女とのみだらな行為を撮影したとして、県警少年捜査課と大船署は8日、横浜市金沢区富岡西1丁目、元市立中学校校長の男(64)を児童買春・ポルノ禁止法違反(児童ポルノ製造)容疑で逮捕した。県警の摘発で3件目となる同法の国外犯規定を適用した。

 県警や市教育委員会によると、元校長は文部科学省からマニラ市内の日本人学校に派遣されていた3年間とも重なる1988年から2014年まで現地女性を買春し、ポルノ写真を撮影していた。18歳未満は約千人に上るという。

 逮捕容疑は、14年1月、マニラ市内のホテルで10代前半の少女とみだらな行為をしている姿をカメラで撮影し、写真11枚を保存した、としている。県警の調べに対し、元校長は「思い出にするために撮影した」と容疑を認めている。旧知の現地女性が少女を周旋したという。

 13年9月にフィリピン警察から警察庁に情報提供があった。県警によると、元校長は約2500円を渡してみだらな行為をしたが、少女が特定できなかったため、児童買春容疑での摘発は見送った。少女の年齢は、小児科医の鑑定で13〜14歳と判断した。

 男は横浜市立中学校の正副校長を歴任。11年の退職後から今年3月末まで公益財団法人・横浜市教育文化研究所に所属し、機関誌の編集長を務めていた。

 市教委は「不祥事防止に取り組んでいる中、極めて遺憾な行為」との談話を発表した。

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 「12660」。県警が元校長の自宅から押収した写真に記された最後の通し番号だ。県警によると、この「異常な数」(捜査幹部)はフィリピンで買春した10〜70代の女性の総数だった。アルバム約400冊に計約14万7600枚の写真が収められていた。同容疑者は、うち1割ほどが18歳未満だったと県警に説明している。

 買春は、マニラ市内の日本人学校に派遣された1988年に始まったという。帰国から3年後の93年に発行された市教育文化研究所の機関誌に現地の子どもについて、こうつづっていた。「物質的に豊かになったことでなくしてしまった心の中の尊いものを、持たざる彼らの中に見つけた気がしたのだ」

 「明日をも知れぬ子供たち」(同誌)の貧困を憂う教育者の一方、元校長は性的搾取者という二面性を持ち合わせていた。風俗店で数百円を上乗せすれば性交できると知ると、「安いな。たくさんの女性とできるなと思った」(県警の任意聴取に対する供述)という。帰国後も年3回の休暇を利用して計65回、現地に渡っていた。1日10人ほどの女性を買春していた計算だ。

 売春に従事させられている子どもはアジアだけで100万人、人身売買の産業規模は年間100億ドルともいわれる。日本は70年代の海外旅行ブーム以降、「買春ツアー」の送り出し国として、とりわけ国際的な非難を浴びてきた。122カ国が参加した96年の世界会議で対応の遅れが指摘され、3年後に児童買春・ポルノ禁止法が成立、国外犯規定が盛り込まれた経緯がある。

 「日本の対策はまだまだ国際的な水準に達していない」。性的搾取の被害者支援に取り組むNPO法人「ライトハウス」の藤原志帆子代表は強調する。主要8カ国(G8)で日本とロシアのみが規制していなかった児童ポルノの単純所持は、14年7月の法改正でようやく禁じられた。

 警察庁によると、全国の警察が14年の1年間に摘発した児童ポルノの製造や流通の被害者は746人。摘発も1828件に上り、統計が残る2000年以降でともに最多だった。藤原代表は「児童買春やポルノをめぐる日本人の規範意識の低さは、いまだに深刻な状況にある」と指摘している。

 ◆国外犯規定 日本国外での犯罪に対し、国内法を適用して処罰する規定。児童買春や児童ポルノ製造・提供などの行為は、刑法の殺人罪などと同様に、国外での犯行でも日本国民を処罰できる。

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