PC管理妨害ソフト:校内パソコン組み込み 遠隔操作システムも構築 高松の中学教諭作成、当時校長の打診か /香川
毎日新聞 2013年5月11日(土)17時15分配信
高松市教委が各校に導入したパソコン管理運用システムを遮断、妨害するソフトが市立中の校内パソコンに組み込まれていた問題で、ソフトを作成した中学校教諭は数年前、自宅パソコンから校内パソコンに接続できるシステムも構築していたことが10日、市教委などへの取材で分かった。教諭は当時の校長から打診されて構築したと説明しており、県教委が調査する。【久保聡】
市教委などによると、同校教務室のパソコンがウイルス感染しているのが12年に分かり、市総合教育センターがパソコンを詳細に調査した。すると、外部から接続できるシステムが見つかり、遠隔操作で校内のデータを利用した痕跡もあった。さらに、教諭宅のパソコンから校内パソコンに接続できるようになっていた。
教諭らへの聞き取り調査の結果、数年前に当時の校長からシステム構築が可能かどうか打診を受け、教諭が校内のパソコンを操作してシステムを構築したことが判明した。教諭はシステムを使って自宅から遠隔操作で校内のパソコンに接続し、本来は校内でしかできない作業を行っていたという。
個人情報の流出などの被害は確認されていないが、市教委はパソコン情報などの取り扱いを定めた内部基準で、外部接続システムの構築と使用を禁じていることから、服務規律違反行為として既に県教委に概要を報告。県教委は今後、教諭らに聞き取り調査を行うなどしてシステムを構築した詳しい経緯や目的などを調べ、処分するかどうか検討する。
高松市の市立小中学校では当時、外部から校内のパソコンに接続しようとしても拒絶されるシステムが使われていた。しかし、今年2月に新システムが導入され、現在は許可を受けた私物パソコンを使って教員が自宅でも校内データを扱えるようになっている。
5月11日朝刊