中国名門・復旦大学が東京大学のPRビデオをパクリ・・・当初は否定、一転して謝罪「参考にした」=中国メディア
サーチナ 2015年5月30日 12時23分配信
最初は威勢がよかった。上海市にある中国屈指の名門、復旦大学だ。建学110周年を記念する映像作品での「新たな試み」を強調した。インターネットで公開したところ「東京大学の作品のパクリだ」との指摘が殺到。しかし復旦大学の責任者は「独自に制作したもの」と主張。批判の声はさらに強まった。すると一転して「参考にした」と認め、謝罪した。騰訊新聞など多くの中国メディアが報じた。
登場人物は特殊なスーツを着ている。ヘルメットに覆われて、顔は見えない。大学構内を歩く。講義に出る。資料を探す。教授に質問する。ゆっくりとした動作だ。その衣装のままで街を歩いたり遊んだりもする。最後にすがすがしい雰囲気の大学構内でヘルメットを脱ぐ。「どちらの作品」も女性だった。
2作品の違いは、片方が宇宙服を身に付けた日本人宇宙飛行士の山崎直子さん、片方は中国でまだ2人しかいないという、女性で民間機テストパイロットを務める楽?菲さんであることだ。山崎さんは東京大学、楽さんは復旦大学の卒業生だ。
復旦大学が「To My Light」と名づけた上記作品をSNSを含むインターネット上で公開したのは27日だった。「特別な作品を建学記念日に発表します。ご注目ください」、「美しきファンタジー+人間的な叙事+しっかりした映像の大作です」などの予告を繰り返していた。
ところが27日の発表直後から、東京大学が2014年に発表した作品の「Exprorer」と、「アイデアもカメラワークもストーリーも、画面の細かいことまでが『高度に似ている』」との批判が相次いだ。中国メディアも相次いで取り上げた。
微博(ウェイボー、中国版ツイッター)の復旦大学の公式アカウントには、抗議のコメントが殺到した。「パクリだ」、「許せない」、「大学に釈明を求める署名活動をしよう」などだ。
復旦大学の映像制作の責任者である中国共産党復旦大学委員会宣伝部の騰育棟副部長は当初、「卒業生の物語だ。(東京大学作品とは)テーマが違う。われわれは独立して脚本を作った」として、「パクリではない」と主張していた。山崎さんと楽さんでは異なる職業でないので、「別の作品」ということらしい。
批判はますます高まった。すると騰副部長は29日になり改めて「他大学が制作した20作品を参考にした」、「東京大学作品は参考にした点がより多かった」と説明。自作品については「実在の人物についての事実を用いるので、問題はないと思った」という。
そして、「最初の発想が間違っていた。この作品は復旦大学の名誉を傷つけてしまった。心からお詫びする」と述べた。
しかし騰副部長に対する批判は止まなかった。「恥じ入ったり自責する言葉はない。全部が言いわけだ」といったコメントが寄せられた。(編集担当:如月隼人)(写真は騰訊問新聞の28日付記事頁のキャプチャー。「復旦大学版」映像の右下に「東京大学版」を重ねて報じた)