詐欺容疑で朝鮮大学校元副学部長逮捕 日本の対韓工作拠点「責任者」
産経新聞 2016年2月2日(火)15時38分配信
不正入手したクレジットカードで物品を購入したなどとして、警視庁公安部は2日、詐欺容疑で、朝鮮大学校経営学部元副学部長、朴在勲容疑者(49)=東京都練馬区=を逮捕した。公安部は、朴容疑者が北朝鮮の対外情報機関「225局」の指示を受け、韓国での工作活動を行う在日の拠点責任者だったとみており、活動の経緯などについて裏付けを進める。
逮捕容疑は、架空の人物に成りすまして不正入手したクレジットカードを利用して、平成24年、パソコンの周辺機器などを購入させたなどとしている。
捜査関係者によると、朴容疑者は12年ごろから225局の指示を受けて活動。南北統一に向けた工作活動の日本での拠点を構築していたとみられる。韓国の政界情報収集のほか、工作員を獲得して反政府運動を支援。工作員とは中国などで直接接触する一方、暗号化ファイルを使い、インターネット上で秘匿したやりとりをすることもあった。
日本ではスパイ活動を摘発する法律がなく、出入国も容易で、通信のインフラなども充実していることから、公安部は在日朝鮮人の立場を利用して、工作を展開していたとみている。
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北朝鮮、在日元教員通じ対韓国工作…20年以上
読売新聞 2016年2月2日(火)17時37分配信
北朝鮮の工作機関225局が1990年代後半から20年以上にわたり、各種学校の朝鮮大学校(東京都小平市)に勤務していた朝鮮籍の元教員を通じ、韓国での政治工作を続けていたことが捜査関係者への取材で分かった。
警視庁公安部が詐欺容疑で元教員宅を捜索したところ、パソコンから225局が発信元の指示メールなどが見つかった。公安部は、北朝鮮が取り締まりの厳しい韓国側への直接の指示を避け、日本を中継地点にしていたとみて実態解明を進める。
捜査関係者によると、公安部は昨年6月10日、失業給付金の詐欺容疑で元教員の自宅などを捜索し、押収したパソコンを解析したところ、225局からのメールや指示文書のほか、韓国の親北朝鮮政党「統合進歩党」(解散)の元幹部から届いた活動報告書や、元幹部に送信したメールがあった。