安中の小学校教諭体罰事件 損害賠償50万円で和解
東京新聞 2016年5月31日
安中市内の市立小学校で昨年十一月、六年男児(当時)が男性教諭(56)から体罰による暴行を受けてけがをした事件で、市側が男児の保護者に損害賠償として五十万円を支払うことで和解したことが三十日、分かった。この日開かれた市議会全員協議会で市教育委員会が報告した。
市教委は四月の人事異動でこの教諭を学校現場から外し、市教委で勤務させていることも分かった。体罰問題を受けての措置だという。
この問題では男児の保護者と市側双方が弁護士をたてて協議が持たれ、十九日に和解書を取り交わした。
市教委は本紙の取材に「体罰があったことは事実であることや、児童や生徒への教育的配慮を優先すべきだとの判断をふまえ、裁判などをせずに早期に解決するためこの金額で和解することにした」と説明した。
市教委などの調査で、男児が下級生に暴力をふるったと疑った教諭が、男児が無実を訴えているのに暴行した。男児は全治十日のけがをした。直後に別の男児が「自分がやった」と認めたため、ぬれぎぬだったことが判明した。市教委は教諭の体罰と判断。県教委は二月に、男性教諭を戒告処分にしている。
安中署は二月に男性教諭を傷害の疑いで書類送検している。 (竹島勇)