中1男子生徒いじめ自殺 青森・東北町が再調査委設置

中1男子生徒いじめ自殺 青森・東北町が再調査委設置
デーリー東北新聞社 2017/3/28(火) 11:29配信

 昨年8月に青森県東北町立上北中1年の男子生徒がいじめ被害を訴えて自殺した問題で、町は27日、第三者でつくる「町いじめ問題再調査委員会」を組織し、問題の再調査について諮問した。町教委所管の町いじめ防止対策審議会が昨年末にまとめた報告書を不服とした遺族の意向を踏まえ、再調査委は今後、前回調査の妥当性を検討する。遺族や学校関係者からの聞き取りも進めるとみられ、新たに選ばれた各分野の専門家が、自殺といじめとの因果関係などに関してどのような結論を出すのかが焦点となる。

 再調査委は大学教授、臨床心理士、社会福祉士、弁護士の4人で構成。27日に町役場で開いた初会合では冒頭、全員が黙とうして生徒の冥福を祈った。

 斗賀寿一町長が「再発防止のため、再調査に尽力してもらいたい」と4人に委嘱状を交付。青森中央短期大の久保富男教授を委員長に選任した。

 この後、会合は非公開となり、久保委員長は終了後の取材に「従前の調査結果も踏まえ、慎重かつ迅速に審議したい」と話した。

 問題を巡っては、同審議会が約4カ月の話し合いを経て昨年12月26日、生徒の自殺はいじめが一因になったとしながらも、本人の特性や中学校での支援体制など、さまざまな背景が複合的に関与していた―とする報告書を漆戸隆治教育長に答申。遺族は納得できない部分があるとして、町に再調査を求めていた。

 生徒の両親は27日の取材に「前の調査結果が土台になるとは思うが、関係者からの聞き取りをしっかりと行い、当事者は本当の事を話してほしい」と要望した。

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