わんずまざー損賠訴訟 元園長に103万円支払い命じる

わんずまざー損賠訴訟 元園長に103万円支払い命じる
神戸新聞NEXT 2018/12/19(水) 12:23配信

 不適切な保育実態が明らかになった兵庫県姫路市の私立「わんずまざー保育園」(廃園)に通っていた男児(4)と両親が、元園長の女性(47)に約120万円の支払いを求めた損害賠償請求訴訟の判決が19日、神戸地裁姫路支部であった。徳岡由美子裁判長は元園児側の主張を認め、約103万円の支払いを命じた。

 判決などによると、男児は2015年4月から約2年間、同園に通っていた。17年2月に、定員を上回る園児の受け入れや保育士の架空配置、給食量の削減などさまざまな不正が発覚。給食を通常の1食分の3分の1しか提供しない日もあり、残った給食は冷凍保存して後日、園児に食べさせるなどしていた。

 徳岡裁判長は判決理由で「元園児は不十分な食事の提供により本来の発育が阻害されるなど、悪影響が及ぼされたことが懸念される」と指摘。「実態を認識していれば(元園児や両親が)同園を利用することはなかった」とし、両親が園に支出した保育料相当の支払いも命じた。

 判決後の支援者集会で両親は「自分の口で表現できない子どもがつらい目に遭っていたことに、自責の念を持っていた。司法の正しい判断に感謝したい」と話した。一方、両親は当初から「元園長は法廷で真実を語るべき」と訴えていたが、元園長は計4回の訴訟期日に一度も出頭しなかった。

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