留学詐欺?ベトナム人70人被害か 1人100万円の学納金 東京の日本語学校

留学詐欺?ベトナム人70人被害か 1人100万円の学納金 東京の日本語学校
西日本新聞 2019/3/25(月) 6:02配信

 日本語学校をかたる東京都内の会社が、日本への留学を希望するベトナム人から1人当たり約100万円の学納金を送金させた後、連絡が取れなくなっていることが23日、関係者への取材で分かった。被害者は70人近くに上るとの情報もある。一般財団法人・日本語教育振興協会(日振協)は「詐欺の可能性が高い」とみて法務省に通報するとともに、事実確認を進めている。

 問題の会社は「」。登記簿によると2014年に設立され、代表者は名前から中国系とみられる。本社は東京都杉並区にあるマンション2階の一室で、ほか、2階の五つの部屋には「教室」「図書室」などと表示されている。ただ、1階に入居する飲食店員は「4年前に突如看板が設置されたが、人の出入りは一度も見たことがない」と話しており、運営実態はなかったとみられる。

 複数の日本語学校の関係者によると、留学生を送り出すベトナム側の仲介業者に今年2月下旬以降、学院側から留学ビザ申請に必要な「在留資格認定証明書」の画像がメールで送られてきた。仲介業者は、学納金の支払期限である3月8日までに現金を送ったが、渡航予定の4月が迫っても証明書の原本が届かず、連絡が取れない状態が続いているという。

 西日本新聞は仲介業者に届いた認定証明書の画像を入手。書式は本物と全く同じで、在留資格は「留学」、通学先は「杉並外国語学院」と記されていた。しかし学院は法務省が留学生受け入れを認める「告示校」ではないため、そもそも認定証明書の申請ができず、画像は偽造とみられる。

 また学院のホームページにある写真や文章の大半が、別の学校や企業のページから盗用したものだった。問い合わせ先の電話番号とメールにも連絡したが、いずれもつながらなかった。

 法務省入国管理局入国在留課は「(学院は)告示校ではなく、留学生受け入れはできない。もし事実であれば刑事事件になるが、うちが介入できる話ではない」。日振協の高山泰専務理事は「ベトナムとの関係悪化や被害の拡大を防ぐため、まずは注意喚起が必要だ」と話している。

【ワードBOX】 日本語学校への留学

 法務省の基準を満たして留学生を受け入れることができる日本語学校は、官報に告示されている。「告示校」と呼ばれ、3月現在で全国に749校ある。海外の留学仲介業者と提携し、留学生に代わって入国管理局に「留学」の在留資格認定証明書を申請できる。留学には学費や寮費などに計100万円程度の費用がかかり、仲介業者が日本語学校に事前送金する。関係者によると、不払いや契約不履行を防ぐため、仲介業者からの入金確認後に認定証明書の原本を送るのが「業界の慣習」となっている。

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「実態ない」留学詐欺疑惑の会社 盗用画像使った偽サイト、学校所在地はマンション…被害拡大の懸念も
西日本新聞 2019/3/25(月) 11:00配信

 日本への留学を希望するベトナム人から「学納金」をだまし取った疑惑が浮上した都内の「株式会社杉並外国語学院」。の内容を調べると、インターネット上から無断盗用した画像や文章で作られた偽サイトであることが分かった。「だまされた留学仲介業者は10社以上」との情報もあり、被害拡大が懸念される。

 学院が偽造したとみられる「在留資格認定証明書」の画像は本物と同じ書式で、プロの仲介業者にも見分けが付かない精巧さ。この画像を信じて仲介業者は「学納金」を送金し、認定証明書の原本が届き次第、日本大使館にビザを申請する予定だった。

 海外の仲介業者が日本語学校の信頼性を確かめる場合、主な手段はインターネットだ。学院HPには「充実した施設」とのうたい文句で、机が整然と並ぶ広い教室の画像に「耐震性のある自己所有の校舎」「24時間休日も使える自習室、PCルーム」「学生ラウンジ、駐輪場完備」との説明も添えられている。

 だが、学院の所在地とされる杉並区のマンションを訪ねると、HPのうそは一目瞭然。建物は古く、自己所有の校舎も24時間対応の部屋もない。2階フロアの扉にワープロ文字で「教職員室」「第一教室」「図書室」と記した紙がテープで貼られているだけだった。

 呼び鈴を鳴らしても応答はなく、学生や教職員の姿もない。1階に入居する飲食店員は「中国人がフロアを買い取り、1室だけ中国人に貸しているとは聞いたが開校された実態はない」と証言する。2年前から2階に住む中国籍の女性は「人の出入りは一度も見たことがない」と言う。

 この学院HPに使われている広い教室は一体どこの写真なのか。画像検索すると、ネット上に広く出回っている画像と一致した。さらに校長や教職員として掲載された顔写真や「」「」とされた画像は、確認できただけで日本語学校や専門学校計8校、不動産会社や求人会社計10社のHPから盗用されたものだった。

 文章も、都内の有名私立高や九州の私大など7校のHPからコピーしていることを確認。寄せ集めの画像と、日本人が読めば怪しいと気付く不自然な文章ではあるが、福岡の日本語学校関係者は「学院HPは一見まともに見える。日本語が多く、外国人がうそを見抜くのは難しい」とみる。

 この問題では、留学生を送り出す側が、情報収集をネットに頼っている危うさも浮かび上がった。日本語教育振興協会の高山泰専務理事は「少なくとも『告示校』かどうか、手軽に検索できる公的な情報提供の仕組みを構築すべきだ」と提案している。

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この学校のHPで、「学校紹介」を選択すると、URLは以下のようになります。

http://suginami-gakuinn.com/xuexiao/

xuexiaoとは、中国語(ピンイン)で「学校」の意味です。
Googleで検索すると「杉並外国语学院」と出ます。「杉並外国語学院」ではありません。中国の大陸の文字、簡体字の「语」です。
サイトのソースを見ても、「杉並外国语学院」の記載が多数あります。
登記の代表者だけでなく、このサイトの作成者も中国人でしょう。

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