いじめ加害生徒出席停止、市長に勧告権限 岐阜市
岐阜新聞Web 2020/6/18(木) 8:22配信
したことを受け、岐阜市は市いじめ防止等対策推進条例の改正案をまとめた。市長が、加害児童生徒の出席停止を市教育委員会に勧告できるなど市長の是正勧告規定を盛り込んだ。市教育委員会によると、同様の規定がいじめ防止関連条例に設けられるのは全国でも珍しいという。市は9月議会に関連議案を提出する方針。
是正勧告では、被害児童生徒への見守りや、学校内のいじめ防止の環境整備、加害児童生徒への指導などを講じることも市教委に勧告できるとした。
改正案では、男子生徒が自殺した事態を踏まえ、いじめ防止に取り組む決意などを示した前文を追加。市や学校、教職員などの責務を明確化し、いじめを発見・認知した時は、校長を中心とした組織的な指導体制で対処することなどを明記した。また生徒が亡くなった日である3日を毎月の「いじめを見逃さない日」と定めた。
同条例は2013年度末に制定。市は改正案について7月15日までパブリックコメントを募集している。
◆「市長権限強まる」 専門家から疑問
岐阜市が改正を目指す市いじめ防止等対策推進条例案に市長の是正勧告規定が設けられたのは、「市全体でいじめ防止に取り組む」(市教育委員会担当者)との決意を示している。一方、専門家からは市長の教育に対する権限が強まることに懸念の声も上がる。
昨年7月に市立中学3年の男子生徒がいじめを苦に自殺した問題を受け、調査した第三者委員会は、昨年12月に市教委へ答申した調査報告書で「学校のいじめへの対応の不十分さにより、いじめの激化を止めることができなかった」などと指摘した。
この報告も踏まえ、市教委や学校の取り組みのほか、市長の勧告も加えることで、いじめ防止に向けた対応を強化する狙いがある。答申を受けた後、柴橋正直市長は同条例を改正する意向を示していた。市教委は「勧告は、市長の権限強化が目的でなく、いじめを防止する一つの手段」と説明する。
岐阜大地域科学部の近藤真庸特任教授=教育学=は「本来、いじめの解決は(教育の)専門家集団の教育委員会が取り組むべきこと」とし、「是正勧告の規定は驚いた。市長の権限が強まる可能性もある。教委を信頼し距離を置くのが、健全な関係」と疑問を呈した。