アカハラで教授懲戒「合理的理由欠く」…大学側処分に無効判決
読売新聞オンライン 2020/9/1(火) 18:19配信
学生にアカデミック・ハラスメント(立場を利用した嫌がらせ)を行ったとして、鳥取大から停職1か月の懲戒処分を受けた大学院工学研究科の男性教授(51)が、同大学を相手取り、処分の無効確認や停職中の給与支払いなどを求めた訴訟の控訴審判決が31日、広島高裁松江支部であった。金子直史裁判長は原告の請求を棄却した1審・鳥取地裁の判決を変更し、懲戒処分を無効とし、約55万円の支払いを命じた。
判決などによると、男性教授は2015年7月、研究室に所属する男子学生に対し、就職を希望する企業への推薦状を書かないなど、学生の不利益になる行為をしたとして、17年3月に懲戒処分を受けた。
原告側は1審で請求が退けられたことを受け、推薦状は各教授が広範な裁量のもとで作成しているもので、停職処分に値しないと控訴していた。
判決は、「自己の利益のみを目的とした行為ではなく、標準例と比べて重い処分が相当とは認めがたい」とし、「懲戒処分は合理的な理由を欠く」と判断した。
同大学は「こちらの主張が認められず遺憾。判決を精査した上で今後の対応を検討したい」とした。
鳥取大は31日、工学研究科の40代の男性教授が、学生の就職活動に際し企業へ提出する推薦書を書かなかったのはアカデミックハラスメントに当たるとして、停職1カ月の懲戒処分にしたと発表した。
大学によると、教授は2015年7月、指導する男子学生の推薦書を書かなかった。教授は、内部調査に「優秀なので大学院へ進学させたいと思った」と話しているという。学生は卒業後、鳥取県外の企業に就職した。
教授は、この学生の進路指導に関する情報をメールで他の学生に送ったり、感情的になり激しい口調で指導したりしたこともあったという。