県教委など、高校教諭2人を減給処分
山形新聞 2020/9/30(水) 9:28配信
県レスリング協会が県からの補助金について虚偽報告をしていた問題で、同協会の前事務局長と前強化部長の高校教諭2人が不適正な会計処理に関わっていたことが29日、明らかになった。2014〜18年度の5年間を調べ、合宿や遠征費を支援する補助金約807万円のうち、計57万1570円が不適正とされた。県教育委員会などは同日、2人を懲戒処分とした。全額を返還している。
県教委が処分したのは、前事務局長で置賜地区の県立高の50代男性教諭。山形市教委が処分したのは、前強化部長で山形商業高の男性教諭(57)で、内容はともに減給10分の1(3カ月)。県教委は所属校と年齢を明らかにしていない。市教委は同校の教頭1人を文書厳重注意の処分とした。
県教委などによると、前事務局長は、15〜18年度の国体候補選手の強化補助金などで3件、計39万5570円の不適正処理を行った。合宿参加者から宿泊代を徴収したにもかかわらず、宿泊代を補助金で支払ったと報告したほか、領収書を紛失、もらい忘れた際は、別の大会の領収書を添付し、中には領収書の日付を書き換えたケースもあった。
この男性教諭は、18年の福井国体の参加申請でミスし、男子高校生選手1人が出場できなくなったとして解任された。
一方、前強化部長は16年度の補助金1件、17万6千円で不適正処理の指摘を受けた。県外大会に出場する際、県レスリング協会も経費を支出していたが、学校側が全額を支払ったと報告した。2人とも私的流用はなかったという。
県教委は同協会に対し、組織改善などに関する報告書の提出を求め、他の40の競技団体について過去5年分の会計について調査する方針。
同協会は「本人の責任は重大だが、コミュニケーション不足など組織としての責任も痛感している。当事者だけでなく全体の問題として受け止め、同じようなことが起きないよう、協議を重ねながら再発防止を徹底していく」と話した。