旭川医大、あの学長“発言”の責任など…学長選考会議、外部調査も検討

旭川医大、あの学長“発言”の責任など…学長選考会議、外部調査も検討
HBCニュース 2021/2/2(火) 12:04配信

 旭川医科大学は1日、新型コロナウイルスのクラスターが発生した慶友会吉田病院に対する吉田晃敏学長の“発言”などをめぐり、学長選考会議を開き、学長の責任の是非を話し合いましたが、結論は出ませんでした。吉田学長をめぐっては、解任された古川博之元病院長に対する“パワハラ発言”も元病院長から指摘されていて、委員の多くは、外部への調査依頼も検討する考えです。

 旭川医大の学長選考会議は、学長の選考や業務状況の確認を行う学内規定に基づく組織です。1日は、非公開で開かれました。出席した委員の1人によりますと、学長の“発言”の責任の是非について結論は出ませんでした。また、委員の1人から第三者委員会の立ち上げなど、外部調査を望む意見が出たのに対し、別の委員から「学内に規定がない」という発言もありました。そうした中で、外部調査の必要性は全員が共有したと思われるということです。委員の1人は、学長選考会議のプロセスには公平性、透明性が何より必要で、日時は決まっていないものの、次の会議で具体的な対応が決まるのではと話しています。
 会議の委員には、古川元病院長の解任を決めた役員会のメンバー4人もいて、4人の中の1人から、我々が参加するのは好ましくないのではという発言もありましたが、4人全員、最後まで出席したということです。
 学長選考会議に対しては、解任された古川元病院長も1日の会見で、第三者委員会を立ち上げ、自らに対する“パワハラ発言”の調査などを求めています。

<学長選考会議のメンバー>
・表憲章(旭川市副市長)
・原田直彦(旭川信金理事長)
・房川樹芳(弁護士)
・宮間利一(元全国健康保険協会北海道支部長)
・宮本光明(元公立芽室病院長)
・三好暢博(旭川医大副学長)
・西川祐司(同上)
・松本成史(同上)
・奥村利勝(同上)
・川辺淳一(旭川医大学長補佐)
・松野丈夫(旭川医大理事、元旭川医大病院長)
・平田哲(同上)
・浜野恭義(旭川医大理事、三菱東京UFJ銀行札幌支店長)
・山崎美幸(旭川医大理事、ヨシックス北海道代表取締役)

<旭川医大の学長“発言”、病院長解任などの経緯>
・11月6日 吉田病院でクラスター発生(感染214人、死亡39人)
・11月8日 市内の病院長などが集まり、各病院で患者を引き受ける方針決定⇒学長は拒否「大学の仕事ではない、職員を危険にさらしたくない」
・11月13日 病院長が学長に患者受け入れを再進言⇒学長は拒否「それ(患者を受け入れる)なら、おまえが辞めろ」の“パワハラ発言”
・11月17日 大学の会議で吉田学長「コロナを完全になくすためには、あの(吉田)病院が完全に無くなるしかない」「吉田病院があるということ自体が、ぐじゅぐじゅぐじゅぐじゅとコロナをまき散らして…」と“発言”
・11月20日 重症患者を受け入れ
・12月17日 HBCの報道などで学長の“発言”公に⇒学長がプレスリリース「なくなるしかないとの発言は、吉田病院の閉鎖を意味するものではなく、病院内で治療した上で患者の回復を待つのも一つの方法ではないかとの考えを述べたもの」としながらも「不適切な発言であったと深く反省しています」と陳謝。これに対し、病院長はHBCの取材に対し「受け入れる準備をしていた病院の医師や看護師は、患者を受け入れることができず、悔しがっていた」と証言。
・1月 文部科学省が「それ(患者を受け入れる)なら、おまえがやめろ」などの“パワハラ発言”を問題視、事実確認へ
・1月15日 病院長に学長の“発言”漏えいなどで辞職求める⇒病院長は拒否
・1月25日 病院長を解任、職員向け説明会で報告
・1月26日 吉田学長らが会見⇒学内会議の発言の録音と漏えい、取材に恣意的に応え、大学を混乱させたなどと解任理由を説明
・2月1日 古川元病院長が会見⇒解任の不当性を主張し、解任の撤回、学長の“パワハラ発言”調査などを求める

2月2日(火)午後0時00分配信

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