市尼崎高水泳部いじめ2件認定 第三者委 転学願無断作成で処分

市尼崎高水泳部いじめ2件認定 第三者委 転学願無断作成で処分
毎日新聞 2021/3/17(水) 20:37配信

 兵庫県尼崎市立尼崎高校の水泳部で2017年と19年、女子部員1人ずつがいじめ被害を訴えて不登校になった問題で、市教委が設置した第三者委員会が17日、調査結果を発表した。いずれも他の部員に無視されるなど部内でいじめがあったと認定し、被害相談を受けた当時の顧問らが部員同士を和解させようと開いたミーティングの場で逆に被害生徒が責められたり、謝罪させられたりするなどして不登校につながったと指摘した。また、市教委は17年の事案で当時の男性教頭らが被害生徒の転学願を無断で作成したことが判明したとして、2月26日付で教頭ら2人を懲戒処分とした。

 同校水泳部では17年に1年女子、19年に2年女子が、それぞれいじめ被害を訴え、精神的に追い詰められて不登校となり転校した。いずれも被害生徒や保護者の訴えにより、20年になって市教委がいじめ防止対策推進法の「重大事態」と認定し、第三者委が調査していた。

 第三者委はいずれについても部内での無視や、精神的に追い詰められた状態でさらに他の部員から叱責されるなどのいじめがあったと認定。顧問は相談を受けながら被害生徒も参加した部内ミーティングでの解決を図っただけで十分な対応を取らず、管理職への迅速な報告も怠った。また、17年の事案では市教委が被害の訴えを同年中に把握しながら、学校側から「生徒が転校し、一定の解決ができた」との報告を受けたことで「重大事態」と認識せず、20年まで調査しないまま放置していた。

 第三者委は背景として同校教職員のいじめに対する理解不足、学校内で「独立組織」のようになっている体育科の成績至上主義などがあるとも指摘し、改善を求めた。同校では19年に男子バレーボール部などで体罰が発覚したことも挙げ、市教委に研修体制や体育科のカリキュラムを見直すことを提言した。

 一方、17年の事案では、女子生徒が他校に転校する際、保護者や生徒が記入する転学願を、当時の教頭らが無断で作成し、転学理由を担任に「一身上の都合」と記入させていた。保護者の押印がなかったにもかかわらず当時の校長は決裁していた。市教委は2月26日付で、いずれも当時の教頭を停職1カ月、担任教諭を戒告の懲戒処分とした他、校長も訓戒とした。

 第三者委の発表を受けて記者会見した市教委の松本真教育長は「被害生徒に深くおわびする。市教委の認識が甘く、学校に対応を任せきりにしていた。全てについて抜本的に見直さないといけない」と述べた。【中村清雅】

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