学校側はいじめ認めず、青森 高2自殺で見解
共同通信 2021/4/2(金) 11:45配信
2019年に青森県野辺地町の私立八戸学院野辺地西高2年の男子生徒=当時(17)=が自殺した問題で、学校側は2日、自ら設置した第三者委員会の「いじめは確認できなかった」とする調査結果を尊重すると明らかにした。3月30日に県の調査部会は、いじめを認めた上で「自殺の一要因」とする報告書を三村申吾知事に提出していた。学校側は取材に対し、遺族が求める謝罪はしないとした。
野辺地西高は今月1日、同校のホームページ上に「自殺の主要因は交際関係(の悩み)にあるという点で(県の調査部会の報告書と)一致した」との見解を掲載。「教育の充実に一層努める」としている。
青森県野辺地町の私立八戸学院野辺地西高は1日、今年1月に2年の男子生徒=当時(17)=が自宅で自殺していたと明らかにした。遺族はいじめが原因になった可能性を主張しているという。学校側はいじめを確認できておらず、設置した第三者委員会が来年1月までに最終報告書をまとめる方針。
同校などによると、1月16日朝、自室で首をつって死亡している生徒を母親が発見した。遺書は見つからなかった。全校生徒と教職員計約260人を対象にした学校側の調査では、いじめと認められる回答は得られなかった。
遺族は「死ね」と書かれた紙が見つかったことや、帰宅時に顔にあざがあったとして再調査を要望。学校側はそれぞれの事案について、生徒間の冗談の範囲内であることや、事実関係を確認できなかったとしている。亡くなった生徒から学校側へのいじめの相談もなかったという。
学校側は遺族の求めに応じ、有識者4人による第三者委を8月に設置した。設置は公表しておらず、同校を運営する学校法人光星学院(八戸市)の古川聡常務理事は「第三者委から聞き取りを受けている生徒の心のケアに配慮した」と説明した。
八戸学院野辺地西高の橋場保人校長は「自殺を食い止められなかったのは痛恨の極み。第三者委の最終報告を待ちたい」と話した。