疑惑の日比谷高新校長が「事実無根」と校内放送! 本誌「都立小石川・調査書改ざん」報道の証拠文書を公開
SmartFLASH 2021/4/25(日) 20:05配信
4月13日発売の本誌『FLASH』が報道した、が波紋を呼んでいるーー。改ざんは2021年1月〜2月に、公立の中高一貫校「東京都立小石川中等教育学校(都立小石川)」で起きた。
事の発端は、2021年3月に卒業した当時の “10期生” が、受験の際に大学に提出した「調査書」が白紙だったことにある。その “事故” を受けて、調査書のもとになる「生徒指導要録」に対する東京都教育委員会(都教委)の監査が厳しくなることを恐れた都立小石川の当時の校長らが、「生徒が取得した資格について、根拠資料の提出がないものは消去せよ」と指示を出した、というのが、今回の改ざんの内容だ。
都立小石川ではそれまで、「TOEIC」や「数検」などの資格を取得した生徒に根拠資料を提出させていなかった。その結果、今回の校長らの指示により、根拠資料は学校へ提出されていないものの、きちんと試験などに合格して取得した資格までが、「根拠資料が提出されていないから」として、生徒指導要録から削除されてしまうことになった。
つまり、本人の知らぬ間に、調査書に書かれた在学中の成績が悪く書き換えられている生徒がいるということだ。このままでは浪人し、2022年に再び大学を受験する10期生のなかに、不利益を被る生徒も出てくることになる。
前回報道時に、当時の都立小石川校長だった梅原章司氏を直撃すると、改ざんの事実を否定した。東京都教育庁も「改ざんにあたることや、10期生が不利益を被ることはありません」といった回答で問題がないことを強調したのだが……。
梅原氏は2021年4月から、都立のトップ校「東京都立日比谷高校」の校長に就任している。本誌報道があった翌日である4月14日の日比谷高校の様子を、同校の保護者が明かす。
「着任して早々の報道だったので、校内でも梅原校長のことは話題になっていました。それを沈静化しようとしたのか、校長が『FLASHの記事は事実無根です』と、校内放送で全校生徒に呼びかけたんです」
その保護者は、都教委にも問い合わせたという。
「都教委の電話窓口に報道のことを聞きました。そうしたら、担当者から『あの記事には何も証拠がないでしょ? だから、あれは捏造ですよ』と言われました」
しかし、本誌は前回報道時、現役教員のA氏に取材をおこない、改ざんまでの詳細な経緯を確認している。さらに、都立小石川の教員たちが作成した、改ざん問題の「経緯書」も今回新たに入手した。その内容の一部を次のページで公開する。
経緯書には、調査書作成とその改ざんまでの経緯が、すべて日付入りで記されている。このなかに「改ざんは校長らの指示だった」ことを裏付ける記述がある。
《2月19日になって、正しい調査書ができていないから調査書を作り直すように指示がきました。具体的には、根拠書類が提出されていないものは、調査書からも要録からも削除する様に、との指示です》(原文ママ、以下同)
生徒に無断で資格類を削除することについて、当時の都立小石川の教員たちが感じた葛藤が垣間見える記述もある。
《3つのクラスは根拠書類フォルダが空または数人程度のため、調査書からも要録からも英検とIELTS以外のほとんど全ての資格や表彰を削除することになります。これは果たして正しい調査書なのでしょうか?生徒の努力の結果を軽視しすぎだと思います。このように生徒に不利益になることを、生徒の保護者に連絡することもなく密かに削除して本当に正しいのでしょうか?監査対策が優先で、生徒は二の次でよいのか、それを心配しています》
学校からの指示に悩んでいた担任教員に対する当時の校長・梅原氏の対応について、ある都立小石川の関係者が話す。
「当時の作成に関係した教員たちは、『校長が自分たちに責任を負わせたんだ』と嘆いていました。
そもそも調査書の発行には校長の公印が必要です。それが白紙で提出されていたことが問題なら、梅原前校長がその問題に気づかなかったことも大問題です。だけど、梅原前校長は日比谷高校の校長に “出世” していますからね……」
本誌は、あらためて東京都教育庁に事実確認を求めた。4月14日に日比谷高校で校内放送があったことについては、こう回答を寄せた。
「『このような事実無根の記事が掲載され、さらには日比谷高校の学校名が出てしまったことは、極めて遺憾です』などと話しています」
事実であることを認めたのだ。一方、保護者による都教委への問い合わせに「事実の捏造です」と答えたことについては「(そのような)発言はしておりません」と否定した。
今回、本誌が新たに入手した経緯書の内容については、「都教委として把握した事実については、前回のご質問で回答したとおりです」の回答だった。
先ほどの経緯書には、こうも記されている。
「人的ミス誘発要因は多忙と疲労です」
「担任の過度な負担を軽減することが、ミスの軽減につながると思います」
現場に無理を強いたあげく、その責任も負えない人間に「校長」を名乗る資格はない。