旭川医大学長、契約切れ「特別補佐」に報酬300万円…支出拒否の事務局に再三指示

【独自】旭川医大学長、契約切れ「特別補佐」に報酬300万円…支出拒否の事務局に再三指示
読売新聞オンライン 2021/6/13(日) 10:30配信

 国立大学法人・旭川医科大(北海道旭川市)の吉田晃敏学長(69)が事務局に指示して、契約が切れた「学長特別補佐」に対する報酬として計約300万円を支出させたと、同大の調査チームが指摘していることが分かった。同大では新型コロナウイルス対応を巡って、教職員が吉田学長の解任を求める署名を提出。調査結果は、解任の是非を審査する学長選考会議に報告された。

 複数の関係者によると、吉田学長は今年3月、学長特別補佐を昨年6月まで務めていた男性が病気で入院し、治療費に困っているなどとして、男性に報酬を支払うよう大学事務局に指示したとされる。事務局は「現在は勤務実態がない」と拒否したが、再三指示され、複数回にわたって計約300万円を支出した。

 このうち一部は、男性の治療費を立て替えたと吉田学長が主張したため、学長の関連口座に振り込まれたという。

 学長特別補佐は、経営課題のアドバイスを受けるため、学外の有識者から学長が任命する。報酬は契約に基づいて大学が月単位で支払う。同大はこれまで、病院経営や金融など複数の専門家と契約し、男性の任期は2018年9月〜昨年6月だった。

 同大では今年1月、他病院のコロナ患者の受け入れを巡って吉田学長と対立した大学病院長が解任された。反発した教授らが学長の解任を求める職員1000人超の署名を集めて、学長選考会議に提出した。弁護士による調査チームが設置され、病院長解任の経緯や吉田学長の過去の言動を調べていた。選考会議は近く、吉田学長に不正支出の有無など事情を聞く。

 吉田学長は07年に就任し、14年にわたって学長を務めている。読売新聞の取材に、「現時点では回答を控える。学長の口座に振り込まれていたとの事実はない」と書面で回答した。

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